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2007年3月 1日 (木)

授業 Humanside of Leading Technology (Vol.3)

20070228_1 2月も今日で終わりだけれど、もうしばらくは1月の授業の話題を。2月の授業も面白いことが満載ですがまだ噛み砕いて説明できるほどに消化しきっていないので。

さて、毎回ケーススタディ山盛りのこの授業から2つ目のケースを。

1961年創立のE.D.C Corporationはオフィス向けの電気製品の製造販売とサービスを行う会社で、エンドユーザへの直販やOEMでの製品販売が功を奏して業績を順調に拡大し、1986年には国内各所合わせて20以上の工場を持つまでに成長した。

一方で、工場間での部品調達手続きは全く共通化されておらず、本社も工場長が最適と思える方法で独自に柔軟に運営することを推奨している状況であった。
しかし、1986年の末には一部の半導体部品の調達に徐々に支障をきたし始めた。当時、独立系の半導体メーカー数は減少を続けており、1990年にはEDCの調達量は市場での流通量のうち大きな割合を占める事が予想されたのだ。
これを重く見た社長のManson氏は半導体メーカーから購買責任者としての経験豊かなPost氏を雇い入れ、購入担当の副社長という地位を作ってまで与えることにした。
同時にPost氏の部下としてLarson氏を配置した。彼は社内の様々な部署で勤務経験を持つベテランであり、多くの工場長を個人的に知っている人物であった。

Post氏が最初に下した決断の一つが企業内における調達手続きを一本化することであった。その手始めとして、彼は各工場での調達責任者に300万円以上の契約を結ぶ前には本社に報告するように求めることにした。さらに彼は、各工場と会社全体の両方にメリットがあるように本社が調整するためには、少なくとも契約の1週間前には契約準備を始める必要があると感じていた。
そこで社長のManson氏に自分の提案を伝え、Manson氏が主導する役員会でも最終的に承認された。

さて、この会社は年間を通じて調達を行っているとはいえ、この決定がなされたときには調達シーズンのピークが始まるまで3週間という状況になっていた。そこでPost氏は20人の調達責任者に以下のような手紙をしたためた。

***様
先日の役員会議で私が提案する調達手順が承認されました。つきましては、各工場における調達責任者の方は、契約額が300万円以上の場合、契約責任者となる副社長の承認を契約の1週間以上前に取り付けていただくようお願いいたします。
これが我が社にとって重要な問題になりつつある半導体の調達を確実なものにできるものであることをご理解いただけると信じております。また、本社にでも各工場に対して部品が十分に供給されていることが把握できるというメリットがあるのです。
皆様のご理解をいただけるよう、お願いいたします。


各所に送付する前にPost氏はこの手紙をLanson氏に見せた。
Lanson氏はすばらしい文面であると褒めた上で、Post氏がまだ数人の調達責任者としか会っていないことを指摘して、自分が全員にあって直接理解を求めることを提案した。
しかし、本社での仕事は山積しているので長期間の出張に行っている暇はないとしてPost氏は彼の提案を却下してしまった。
手紙はPost氏の署名入りで直ちに各工場へ送付された。

2週間のうちにほとんどの工場から返信が届いた。
だいたいにおいては以下のような内容であった。

Post様
契約希望日の1週間前に本社にお知らせするようにと言うご案内、確かにお受け取りいたしました。ご提案内容は最も現実的なものであると理解しております。ご協力させていただきますのでよろしくお願いいたします。


しかしその後の6週間、本社は契約交渉の知らせを一通も受け取らなかった。
工場に頻繁に出張している他の重役は、彼らは皆忙しくしているけれど例年の同じ時期と変わらぬ状況であると伝えてきた。

さて、いったい何が起こったのだろうか。
そしてこのような結果を生んだ原因は何だったのだろうか。
誰が何をするべきだったのだろうか。
そしてこのケースから得られる教訓は何だろうか。

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コメント

Post氏の考えの重要な部分(目的・背景等)が各工場に伝わらなかった。

コミュニケーション不足が原因と思われます。プロマネの仕事の9割はコミュニケーションらしいです。(Post氏はプロマネではないですが)

Post氏は、出張が無理でも、テレビ会議、もしくは個別に電話することによって各工場に、この変更の意義や背景を直接伝える必要が会ったのではないでしょうか。

公式な書面を作成することは、権威付けの面で重要だと思いますが、コミュニケーションに関しては、文面だけではなかなか伝わらないものだということではないでしょうか。

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