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2007年3月 4日 (日)

授業 System Architecture (Vol.5)

20070303_1 さて、これまで4回に渡って、システムの物理的な表現について述べてきた。
システムを構成要素とその構造で表現するForm。
そこに機能をマッピングしたArchitecture。
システムが価値を持つために必要なSupporting System等の外部要素を加えたWhole Product System。
さらに価値は生じないけれどもシステムがインターフェースを持つ要素を加えたContextだ。

今回からはシステムを表現する上で、もう一つの重要な要素である機能について述べていきたい。

さて、いきなりだけれども機能とはなんだろうか。
堅苦しい表現で言うと「システムや製品が何かを成し遂げたり創造するための活動、運用、変換」である。
わかりやすく言うと「或る物が実行する有益な事」となる。例えば笛であるならば「音を出すこと」である。
もちろん動的なものだけではなくて静的なものも含まれるし、場合によっては複数の機能を有する場合もある。例えば家の壁は「雨風を遮って外界から安全を確保する」機能もあれば「窓などを支える」機能も有している。
更に機能は複数の副機能(Sub Function)の集合からなっている場合もおおい。例えば図にあるオペアンプ回路であれば、主要な目的は「入力電圧を増幅すること」であり、その機能は各要素が提供する「電流にあうように電圧を変える」、「電荷を通す」、などといった機能が組み合わさることで実現されている。
つまり、機能は組み合わせることによって新しい機能を提供するし、同じ副機能を含んでいる場合でも、組み合わせ方によっては異なる機能を提供する事もある。電子回路などはそのわかりやすい例ではないだろうか。

さて、これまでの話を実際のシステム設計に当てはめてみると次のような活動に分けられる。

システムが有するべき機能を決めて物理的な構成要素(Form)にマッピングしていく活動。これはトップダウン設計と呼ばれる。
逆にシステムの物理要素を決めてそれに合うように機能をマッピングしていく活動はボトムアップ設計と呼ばれる。余談だがリバース・エンジニアリングはこれに当たる。

もちろん実際のシステム設計においてはどちらかが優れているとか、どちらを使うのが良いというわけでもない。
それぞれを繰り返して最終的には自分に責任がある範囲で詳細化と統合化を行って、どちらの考え方からしても矛盾のないようにしなくてはならない。

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コメント

>imaさん
それでいいと思います。
余談ながら要求の話が出たのでついでに話しますが、機能でも性能でも要求の対象は何かを意識することが重要だと思います。

それでも意外とバラバラなものが多く見受けられる気がします。
例えばPCの開発に際して、PCの性能要求として「●●Whの電力を蓄えられること」というのは電源系サブシステムへの性能と機能要求として示されるべきで、蓄電量がセールスポイントにでもなっていない限りはPCへの要求としては「○○の条件下で△時間使用に耐えること」であるべきと言うことです

解説ありがとう。
僕も同じ理解だと思います。
シンプルに、
 機能に対する要求→機能要求
 定量的な要求→性能要求
と理解してますが、それでいいのか疑問が少しあったもので。

>いまさん
授業では説明されませんでしたが、僕なりの理解を。
機能は先述のとおり、何かを実現するために有効な活動や動作なのですが、
性能はその機能がどれほどよく発揮されるかを示す物差しです。
ただし、ご存じだとは思いますが性能とその製品の価値は単純に比例しませんので注意が必要です。

例えば笛の機能は音を出すことで、性能は音の大きさや響き、耳障りなどです。ただ笛の価値の一つは、大きな音が簡単に出ることで評価できます。が、或る程度以上大きくなると、もはやうるさいだけで価値が上がらなかったり場合によっては価値を下げることにもなります。

機能と性能の違いが授業で説明されたら教えてくださいませ~!

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