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2007年4月13日 (金)

Focus on people

20070412_1 今日は午前中の授業が終わると、みんな一目散に教室を後にした。ジャック・ウェルチ氏がやってくるのだ。
彼はジェネラル・エレクトリック社のCEOを20年も勤め、Fortune500から最も優れた経営者に選ばれたこともある有名人。300人は入るだろう会場はMBA関係の学生を中心に1時間前からごった返していた。
特に主題のある講演でもなく、ホストを務める教授と会場からの質問に答える形で1時間うだうだ話をするだけなのだけれども、ファンも多いようでサインしてもらうために彼の著書を持って来ている学生も多かった。

彼も70歳を越え、とうに引退している身なので精力的に何かをアピールするわけでもなく、笑いをとりながら自分の価値観を語ってくれたのだけれども、一言で言うなれば「企業は人なり」だと伝わってきた。容赦なく事業閉鎖や解雇をするCEOとして聞いていた感じからは意外だったのだけれども、「情けをかけて後でもっと困った事態になったときに決断するのと、どちらが皆を不幸にするかを考えると明らかだ」という言葉からは、ちょっと過去の苦労がにじみ出ていた。

早速MITのWebに記事と動画がアップされているので興味のある方はどうぞ。

それにしても日本企業はMITでも常に分析の対象になっている。ウェルチ氏もトヨタの経営について少し語ったのだけれども、その他の日々の授業でも日本企業の例が出てこない日はないと言っても過言ではない。
今日も午後の授業2つの中で日本企業が分析対象として登場した。中でもゲスト講師が語ってくれた”Globarization”の例は非常に面白かった。
アメリカの企業が生産拠点を中国に移す場合、中国の製造会社と契約して生産を委託するのが一般的だそうな。それに対して日本の企業は自社の生産拠点を中国に建てて現地で職員を採用する方式をとることが多い。

その根本にあるのはInnovation(創造性)についての考え方の違いのようだ。
つまり、アメリカ企業にとっては、製造は単なる作業と割り切れるものでスペックをクリアしてくれるのであれば誰にでも任せられる仕事なのだ。バリューチェーンの一番重要なところ、新しい製品や技術の創造と製品設計さえ押さえておけば良いということらしい。iPodが良い例だろう。
一方で日本企業は、経営、研究、設計、製造の全てが密接な関係を持っていると考えているところが多く、製造現場の経験を次の製品開発に生かすと言う考え方や、バリューチェーンの全てをカバーすることが競争力維持につながるという考え方だと分析されていた。

エッセンスとしては、短期的な利益はアメリカ企業の方が大きい事が予想されるけれども、日本企業の方式も学習効果が高く長期的な利益はこちらの方が大きくなる可能性もある。グローバリゼーションも様々な戦略が共存し得るということだった。

僕からすると、改善を支える生産現場労働者の能力の差は特筆に値するにしても、単に人材を数年ごとに入れ替える契約主義の文化と、長期雇用で大成するのを待つ文化の違いが反映されているだけであって、企業も産業も国による経営戦略の違いがあっても全て人が基本。それは忘れないでおこうと再確認した一日でした。

"If you run a company like GE, you don't know much in the way of details about the businesses ... what you do know about are the people you're dealing with. In the CEO's world, it's the people you need to focus on. The CEO of GE puts the right people in the right jobs, gives them the resources they make a case for, and gets out of their way."  (Jack Welch氏の今日の言葉から)

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