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2007年4月28日 (土)

Spring Term 2007

20070427_1日本は連休に突入しているけれども、もちろんアメリカでは関係なし。 遅めの春の訪れとともに春学期はそろそろ終盤を迎えて忙しい時期に入っている。最終コーナーに入ってホームストレッチが見えてきたというところだろうか。

SDMプログラムではコアコースの他に4つ以上の授業を(13ヶ月コースは春夏秋の3学期で)履修しなければならない。選択候補となるクラスは以下の4つのカテゴリに分類されていて(重複あり)バランスよくとることが必要。

  • エンジニアリング
  • マネージメント
  • 製品開発
  • システム設計

僕は気がついたら13ヶ月コースの学生としては非常に標準的な構成になっていた。秋は論文に時間を割くため、多少無理してでも今のうちに2クラス選択授業を取る。
とは言っても、ワークロードの大きさにくじけてか、徐々に修学期間を延長する学生が出ていて、元々20人弱いたはずの13ヶ月で卒業する気でいる学生は10人位になっているようで・・・・がんばらなくては。
しかし授業は常に5~7クラスあるし春学期だけで53単位とるのは結構大変です。

それでもそれぞれ個性的で学ぶところが多いので、今後しばらくかけて徐々に紹介していきます。


今晩は久々にのんびりとテレビ観戦。松坂対松井よりも岡島の活躍が気になりました。今は松坂の勝利記者会見を長々とやってますが、テレビから日本語が聞こえるのが変な感じ。今や彼もすっかりRedSoxの一つの顔です。

2007年4月25日 (水)

Spring has come!!

20070424_1 20070424_3 20070424_2



ボストンにもようやく春がやってきたようだ。
先週末からここ4日ほど最高気温が20度前後の陽気が続いている。それに呼応するかのようにそこら中の花が一斉に咲き始めた。ちょっと前から咲いている緋寒桜に加えて、染井吉野、枝垂れ桜、レンギョウ、木蓮、こぶし、水仙、ツツジ、そしていくつかの初めて見る花まで、まるでこの日がくるのをずっと待っていたかのような咲きっぷりだ。

20070424_4 もちろん草花だけじゃなく、人も一斉に春モード。というか夏モードの人も多いくらいだ。授業を受けていても1/3は半袖。その半分は短パン。今週末にはまた雨が降って最高気温が10度に戻るらしいけれども、今はひたすらこの陽気を楽しんでいる。

 

 

20070424_5先週末は 我が家もボストンに来て初めて近くの公園まで車で出かけて散歩。チャールズ川まで出るのもいいけど、車で5~10分で行ける範囲に沢山の池があるので順に制覇する計画を立てている。

今回散歩したのは、ちょうど100年前にアメリカで初めて氷の商業的な生産が始まったと言われる池Fresh Pond。湖面の氷を切り取ってばかでかい納屋に入れ、夏に売るのだ。この池の氷の品質は非常に良く、遠くロンドンの氷市場の80%を占めるにまで至ったことがあるらしい・・・が、今はその面影は無い。
結構大きい池で、1時間ほどかけてゆっくりと一周。春の雰囲気を存分に楽しんだ。残念ながら池沿いの木々はまだ冬から春への変化を疑っているようだったけれども、春の空気の中をコートなしで歩くのは本当に気持ちが良かったし、娘も強い日差しにとまどいながらもきょろきょろして上機嫌だった。(もちろん途中から爆睡)

20070424_6 で、帰ろうと思ったら車のワイパーに紙切れが。
訪問者用じゃなくてうっかり居住者専用スペースに駐めてしまったらしい。こちらに来て初めての罰金$30なり。おかげで、各違反の罰金額はしっかりと勉強させてもらった。中でも障害者用スペースに駐めると$100の罰金!間違っても駐めないと誓ったのでした(日本でも駐めたこと無いけど)。
ちなみに罰金はWebでクレジットカード決済が出来るという便利さだけど、市のセキュリティを信用してないので小切手で支払います。切符がそのまま封筒になってしまう便利さは喜ぶべきか・・・・。

2007年4月24日 (火)

Tesla Motors and SE

20070423_1 いくらLotusから経験のあるエンジニアを集めたとはいえ、なぜ短期間で電気自動車を開発できたか。講演してくれた人の考えでは、端的に言うと「システムエンジニアリング(SE)を可能な限り無視したから」だそうな。

要求と仕様の紐付け(つまり車の機能や性能が顧客の欲しいものとあっているか)も無し、文書作成も可能な限り無しである。

もちろん、ビジネスとしてのマーケティングは非常に綿密にやっているはずだ。

  • スポーツカーというマーケットセグメント(高級、少数、趣味)の選定
  • 情報発信戦略(Appleのように、形がまだない頃からとことん期待感をあおる)
  • セールス(マスメディアによる広告は一切せず、ニュースリリースのみ。メインはHPでできるだけ詳しい情報を載せる、ブログの更新とコメント対応は幹部の重要な仕事)
  • 開発戦略とスピード、価格

個人的には、このケースに限っては僕は正しい選択だったんじゃないかと思う。
電気自動車のスポーツカーという誰も作らなかったものを、エンジニアが「こんなのあったらおもしろいんじゃないか、出来たら魅力的だよな」というものを有能な経験者がガシガシと作っていく。管理によるオーバーヘッドを最小限にして、いいものをさっさと作ってしまうのだ。どうやって開発を進めればいいか、何が重要かを共有している経験者が沢山いればSEは無くとも1台車を開発するくらいは十分できるはずだ。

なんてったってSEは数式や自然の摂理で構成されているわけではないのだ。

とはいえ、彼らもWhite Starの開発では大幅にSEを導入しているとのこと。顧客要求を重視して、システマティックに開発を進めるため、特に航空宇宙産業のシステムエンジニアを多く採用しているらしい。

その理由として開発で一番問題だったのは、目標性能が維持できなかったり仕様変更をするときに各部で玉突き式に発生する問題を、場当たり的に力業で解決していくことと、全体の整合性をとることで、これに振り回されて非常に疲れたとのことだった。また無給電航続距離も発売後に400kmから320kmへとスペックダウンしている。

この車ははっきり言って大量生産していける商品には仕上がっていない。どれだけ大目に見ても、まだ単に電気自動車が「金持ちのおもちゃとして」市場に受け入れられることを示したにすぎない。

それが理由かどうかわからないけれども、White Starがベースとする車のモデルとその製造はFord Mexicoが担当することになっている。彼らは本気で年間1~2万台売る気のようだ。

2007年4月23日 (月)

Tesla Motors, and Lotus

20070422_11 先日紹介したTesla Motorsの電気自動車を見て、あれっ?と思った人もいるかもしれない。
そう、実はTeslaのメカニカル設計は写真のLotus Eliseを流用している。シャシー、サスペンション、安全装備。できる限り流用したといっていいと思う。当然見た目は似るはずなのである。製造もイギリスのLotus社の工場で行っているそうだ。

しかし電気自動車がこれまで普及しなかった大きな原因の一つである電池の性能問題をどう解決したか。
開発せずに買ってきたのだ。
最近のリチウムイオン電池の性能向上は目を見張るものがあるけれども、それは携帯機器やPCなどの大量生産品にどんどん導入されているからであって、Teslaのような小さな会社が開発に資金を投資したところで高性能で低価格のものを作れる訳がないと彼らは踏んだ。
許容できる性能を持つ低価格なバッテリーとして、汎用品をたくさん束ねて使っているらしい。この考え方は防衛や宇宙産業でも取り入れられつつあるけれども、さすが自動車、価格に対する感度が非常に高い。残念ながらサプライヤー名は教えてくれなかったけれども、電源制御機器はタイで、電池は台湾でそれぞれ製造と組み立てを行っている。

それでは彼らは何に投資したのか。
それはバッテリーの制御システムとモーターだということだった。
バッテリーの性能は温度によって大きく変わる。さらにリチウム電池は充放電制御が非常に重要な電池だ。しかも束ねて使うのだからなおさらである。(なのでやっぱり電池はヒーターとクーラーで温度管理されているらしい。御大尽様である)
またモーターも今ではSiemensなどから買えるようなのだけれども、180kw級の小型モーターは当時手に入らず、開発するしかなかったのこと。

これがゼロから立ち上がった会社がわずか2,3年で車を開発できた理由だ。それでも驚いたことに開発にたったの20ヶ月しかかかっていない。既存の自動車会社はだいたい18ヶ月くらいらしいので、かなりいい線をいっている。電気自動車という斬新さを考えるとかなり早い。

それが可能になったのは多くのエンジニアがLotus社をやめて移ってきた人たちだからということだったけれども、車開発の経験と技術があるといってもガソリン車と電気自動車では違うところも多い。システムとして完成させるにはかなりの困難を伴うはずだ。彼らはどうやって短期間で開発したのかを質問してみた。(つづく)

2007年4月22日 (日)

American Passport

20070418_1 もう少し娘が大きくなったら休みに合わせてボストンを離れ、どこかに遊びに行きたいと思っているのだけれども娘の身分証明書(写真入りID)が何もないことに気がついた。
日本のパスポートは先述の通り、あと一ヶ月くらいしないと申請できないので日本のIDはすぐに取れない。というわけで、学校がたまたま休みになった日を利用してアメリカのパスポートの申請に行ってきた。

アメリカのパスポート申請にはDS-11という公文フォーマットがあるのだけれども、WEBからダウンロード&印刷して手書きで記入できるのに加えて、オンラインのフォームに入力すると整形されたPDFファイルがダウンロードできるので、印刷するとそのまま申請できる。フォーマットがWEBにさえ載っていない日本領事館とは雲泥の差だ。

もちろん写真が要るのだけれども、写真屋さんで撮ってもらうのも高いし、何より娘の機嫌が良いとは限らないので白いシーツの上に寝かせてデジカメで笑顔を撮って、規定に合うようサイズ変更した後にお店でプリント&カット。2枚で53¢なり。

パスポートの申請は公的な機関に行ってもいいけれども、大きな郵便局でもできるのでそれを使わない手はない。車で10分の所にある(といっても10km以上あるけど)郵便局に家族でGo!

窓口で写真と書類を手渡す。写真の背景はしわが寄っていて白じゃなくてグレーの所もあってシーツと一目でわかるけれどもここはアメリカ。「写真はこれ?背景は白じゃないとだめなんだけど、うーん、まぁ大丈夫だろうねぇ」という一言でOK。14歳以下の場合は両親のサインが要るので二人でパスポート見せてサインして娘のサインを代筆して手数料$82払っておしまい。この間5分の出来事でした。

パスポートはこれまた日本と違って、申請書に書いた住所に郵便で送られてくるとのこと。ことごとく便利だけれど、あれだけいい加減な郵便システムがここまで信用されているのに驚き。「交付は1.5ヶ月くらいかかるけれども3~4ヶ月前に申請する事をお勧めします。」と言う言葉の意味をついつい邪推してしまう。
とはいえどうしようもないので、後は無事に送られてくるのを待つのみ。

一つだけ心残りがあるとすれば、代筆した娘のサインをかなりいい加減に書いてしまったこと・・・・・ま、5年後もまだアルファベット読めないだろうし、いっか・・・

2007年4月20日 (金)

Tesla Motors

20070419_1 写真の車は最高時速200km、静止から時速100kmに達するまでの加速時間が4秒、高速走行時の航続距離320km以上、最高トルク248馬力。2人乗りのFR車。

 

 

20070419_11 車にちょっと詳しい人ならおやっ?と思うスペックだけれどそれも当然。実は市販の電気自動車なのだ。総アルミのシャシーにカーボンファイバーのボディ。モーターの最高回転数は13500rpm。ガソリンエンジンと違って回転数が上がっていくとジェットエンジンのようにキュイーーーンという音がするらしい。

この車を開発&販売しているのはTesla Motorsというカリフォルニアに本拠地を置く自動車会社。
ここで働くメカニカルエンジニアがMIT出身と言うこともあって、Tesla社とその電気自動車について授業で話をしに来てくれたのだ。
シリコンバレーで儲けた人達が先端分野に投資する事は珍しくなくなっているけれども、この会社もeBay、Googleなどの創業者やベンチャーキャピタルがお金を出している。ChairmanはPayPalの創業者であるElon Musk氏。彼は低コストの再使用ロケットFalconを開発しているSpaceX社のCEOでもある。
まだ衛星を軌道投入したことがないFalcon1とは違って、この車は既に今年370台を製造して、一台1000万円を越える高級車ながら売り切れているのだ。フェラーリなんかより格段に安いし、日本で慶応大が中心となって開発している電気自動車は参考価格が3000万円の予定と言うから格安なのかもしれないけれど。

彼らが集めた投資は総額$6000万にも上るので、黒字転換にはまだまだまだまだまだまだ時間がかかりそうだけれども、購入しているのが政府などの公的機関ではなく一般人というところが新しい可能性を感じさせる。
社員も既に250人を越え、急拡大中のようだ。そして2009年秋にはWhite Starというスポーツセダン(RX8、もしくはAristoみたいな?)を発売する予定で開発を進めているとのこと。既に基本設計とサプライヤー選定はほぼ終わっているらしい。

歴史を振り返ると意外なことにガソリンエンジンのような内燃機関エンジン車よりも電気自動車の方が先に開発されている。そして記録に残っているアメリカでの第一回自動車レースを制したのは実は電気自動車らしい。それでもガソリン車の性能向上に伴ってすぐに姿を消し、オイルショックの1970年代、そして1990年代後半に現れては消えている。
そして今、確実に新しい波が来ているようだ。

上のような話も面白かったけれども、それに続いて話してくれた開発の顛末やシステム開発に対する考え方、会社の動向がなかなか興味深いものだった。(つづく)

2007年4月19日 (木)

Sad News

20070418_11 日本でも大きく取り上げられているみたいだけれども、ヴァージニアテックでの銃乱射事件はここボストンでも非常に大きな衝撃を持って受け止められている。留学生のクラスメートのうち何人かは海外にいる家族から「大丈夫か?お前のいる大学やろ」と連絡を受けたらしい。
それはさておき、昨日はどのニュースチャンネルでも長い時間を割いてこの事件を扱っていたし、今日はMITの学長から全学生に弔意を示すメッセージとMITの教会で祈りを捧げる式典が行われる旨の連絡がきた。自分が何かしらの不安や精神的な混乱を感じたらメンタルヘルスケアサービスを受けるようにとのアドバイスも添えられて。(学校の医療保険はメンタルケアも含まれている)

同じアメリカの大学で学ぶ者として決して人ごとではないのは、例え比較的安全なボストンとMITと言えども同じリスクを背負っている実感が少しは有るからだ。今日は授業の前にクラスメートと宿題についてのディスカッションしていたところ脱線して、この国の社会システムはどこかおかしいよねと言う話になってしまった。6人ともアメリカ人じゃなかったからかもしれないけれども、確かにこの国で生きていくのはタフなことは間違いない。

まず、一般的にアメリカでは学生にせよ社会人にせよ常に非常なプレッシャーに打ち勝ちながら人生を切り開いていかなければならない。MITは世界最高を誇るためか多少特別らしいけれども、努力すれば報われる分、努力をやめてしまうことは「成功」からの脱落を意味する。SDMとSloanという二つの特別な環境にいるとそれを実感しないわけにはいかない。たいていの学生は常に90~120%で頑張らないとやっていけない。もちろんこれは良い面が大きいのだけれども、一度大きくバランスを崩してしまった人には一気に恐怖に変わりかねない。

そして2ヶ月ほど前だけれども、とある授業でこんな出来事があった。
学生がプレゼンテーションをしている間に教授がちょっと席を外したかと思うと、MIT Police(学校の警察組織だが当然武装している)が入ってきて1人の学生を連れ出した。場が乱れることもなく非常に穏やかに、そして静かに1分程度で事は済んだのだけれども、プレゼンテーションを遮って教授が皆に事の経緯を話し始めた。
パソコンを使ってはいけない授業で堂々とパソコンを使っていたので目立っていたからピンと来たらしいのだけれども、その学生(を装った一般人)は以前キャンパス内で銃を使用したことが有ったらしくキャンパスへの立ち入り禁止命令を受けていたそうな。
あのとき銃を持っていたかどうかは定かではないし、長い教授人生の中でも警察が授業中に入ってくる経験は初めてで、学生の皆にはこのような事態が起こって非常に申し訳ないと語ってはいたけれども少なくとも気分の良い話ではない。

大勢のアメリカ国民が平和と安全を願う中でこの手の事件は無くならない。巨大な国家と文化の流れがその変化を拒むのだろうか。

2007年4月18日 (水)

111th Boston Marathon

20070417_1 アメリカ北東部に来ているストームの影響でみぞれ混じりの雨と強い風が吹いているのに、この連休(16日はPatriot's Dayで祝日)ボストン市内がにぎわっているのはマラソンのせいに違いない。そう、毎年この祝日にボストンマラソンが開かれるのだ。
今年は記念すべき?111回目だとのこと。かつては誰でも自由に走れたそうなのだけれども、あまりにも参加人数が多く膨れあがったせいか公式記録による出場資格基準が設けられている。マラソンのことは全く素人なのだけれども、面白いと思ったのは年齢によって基準が異なること。20歳代なら3時間程度までしか許されていないのに、85歳以上なら5時間以上かかっても参加できる。この辺りが市民マラソンに端を発している所以かもしれない(他を知らないので全くの推測だが)。

残念ながら悪天候のために家族での観覧はあきらめたのだけれども、まだかろうじて天気が良かった土曜日に買い物に出かけたときにはCopleyあたりはこれまでにない人混みで驚いた。はっきり言ってクリスマス以上の人混み。改めてすごさを知る。
そこかしこに公式のウィンドブレーカーやバッグ、マラソングッズを手にした人達がうろうろしているし、道路も封鎖されていたり観覧席や運営用のテントが準備されていたりでちょっとマラソン大会気分を味わえたのでした。

当日は悪天候にもかかわらずかなりの人出だったようだ。ちなみに、悪天候にもかかわらず全く濡れずに完走した人が1人だけいたらしい。宇宙ステーションから参加した宇宙飛行士。最も、宇宙ステーションは秒速8kmほどで飛んでいるので、彼女は室内のトレッドミルで42.195kmを4時間ちょっとで完走したらしいけれども。

2007年4月16日 (月)

Sapporo Ichiban

20070416_1sapporoichiban 果たして日本で売っているんだろうか、こちらでその存在を初めて知った。

サッポロ一番きつねうどん・・・・。

複数店舗で置いているので、或る程度普及している・・・・とは思えないけど。
やめとけって言ったのに妻が購入。「赤いきつね」とどっちがおいしいんだろうか。

ま、どっちもどっちだと思うけど。

ちなみに日本で普段買っていた加ト吉の冷凍讃岐うどんは一玉250円位する。

2007年4月15日 (日)

授業 Humanside of Leading Technology (Vol.4 Final)

20070414_1 この授業で最も考えさせられたケースが1986年1月28日Space shuttle Challenger号の爆発事故について。初の民間人で高校教師を含む7人の宇宙飛行士が亡くなり、シャトル打上を32ヶ月も中断させることになったあまりにも有名な事故である。
この事故について僕が知っていたのは、打上の規定温度を下回りかねない予報が出ていたため、低温環境下での打上はリスクが高いとして打ち上げ延期を進言したエンジニアに対して、「いつ打ち上げるかはマネージメントの仕事だ」として経営陣が強行的に打ち上げたということ。

しかし授業で上映された(もちろんごく一部のみ)このビデオを見て少し考え方が変わった。安かったので思わず買ってしまった。そう、少なくとも状況はそんなに単純ではなかったということがひしひしと伝わって来たのだ。

さて、当時NASAはこの打上に対して外部から並ならぬプレッシャーを受けていた。初めて民間人が搭乗すると言うこともあって世間の注目は非常に大きなものがあったし、最大規模の報道陣が詰めかけていた。にもかかわらず既に4回も打上が延期されており、スケジュールの遅れに対するバッシングが始まっていた。
一方で、シャトルの両側についている固体燃料ロケットブースター(SRB)を提供しているMorton-Thiokol社のシニアエンジニアのRoger(後に大統領直下の原因究明チームのリーダーに任命される)は以前からSRBの品質のばらつきが気になっていた。過去24回のフライトで取れたデータと回収したSRBを分析した結果、低温での打上時にOリング(オーリング、水道のゴムパッキンのようなもの)を燃焼ガスが漏れかけていることが何度かあった事がわかっていた。しかし開発に当たって低温環境での試験は決して十分だと言えるものではなく、設計変更はもとより追加試験をするためには莫大な費用がかかる。そして何よりSRBは開発が「終わっている」製品であり、既にシャトルは24回も無事に飛んでいることが、短期間で追加でデータを取ることを非常に難しい状況に追い込んでいた。社内の責任者に相談しても「現に上手くいっているのに何を今更」「考えすぎだ、ちょっと休んだ方がいいんじゃないのか?」と言われる始末であった。

そしてNASAによる打ち上げのGo/NoGo判断会議を前にして、Morton-Thiokol社での会議ではRogerが延期を求める意見を技術部門の副社長、Bobに提言する。Rogerは言う。「この状況での打上はリスクが高すぎる。過去のデータを見てももう少しでシールの部分が異常を起こしかけている。華氏53度(摂氏約11度)以下での打上はやめるべきだ。データは無い。しかしSRB開発に長年携わってきた私のエンジニアとしての経験がそう言わせている
Bobは非常に迷いながらも彼の提案を受け入れて進言することにしたが、やはり計画部門の副社長と折り合いがつかず、打ち上げ前最後のタイミングでテレコンを設けてNASAに提言し、判断を委ねることにする。

NASAの担当者が言う。「打上を中止させる積極的な理由があるのか」、もちろんRogerの必死の説得も「データは無いが私の経験と勘を信じてくれ」という言葉では打上を進めたいNASAを途惑わせるばかりであり、「SRBのスペックは華氏40度以上で打上られることとなっている。今更それを変えてくれと言うことか」というとどめの一言に、とうとうMorton-Thiokol社側は何も言い返せなくなってしまう。しばらくの沈黙を置いてNASAからの最後の言葉。
「理由が示せないならエンジニアができることはもう何もない。その席からエンジニアに退席願ってくれないか。後は運営責任者だけで話がしたい」。
Morton-Thiokol社にはそれを断ることはできなかった。と、同時にシャトルの打上にGoサインを出さざるを得なくなる。

この話がどれだけ事実に沿っているかは、あまり大したことではない。実際にこういう状況に追い込まれたときにマネージャーや責任者はどういう判断を下すべきか。外部からの多大なプレッシャーとエンジニアの"I have NO DATA."という言葉との間で、どういう判断を下すべきか・・・・・。

正直に言って僕にはわからない。皆さんなら、どう考えますか?どういう立場ならどういう行動をとりますか?少なくとも言えるのはこの話が追い込まれたマネージャーとエンジニアだけではなく、宇宙飛行士、そしてそれぞれの家族、誰にとっても不幸な結末だったと言うことだ。自分はシステムエンジニアとして、そしてシステムエンジニアリングが、一つでもこういう判断をしなくてはならない状況を減らすことができるようにしたい。

最後に打上失敗後の原因究明委員会の中でも重要な役割を果たした委員、R.P.Feynman(ノーベル物理学賞受賞者)氏による個人的なレポート(Rogers Commissionの正式レポートの付録)は一読の価値有りです。英語が苦手な方はこの本がお勧めです。何故か知らないけれどもこの本は家に昔からあって大好きでした。

2007年4月14日 (土)

Let's go Celtics!!

20070413_1 今シーズンのホームゲームが後2試合!チケット50%OFF!ということで、友人とNBA、Boston Celticsを応援してきた。ひょっとしたら勝てるかもしれない今日の相手はMilwaukee Bucks。思った以上の客の入り(とはいえ6,7割)で初めから会場の雰囲気は盛り上がっていた。3月に観に来たという友人の話ではそのときよりも断然いい雰囲気ということだった。
ゲームは序盤から常に5~10点のリードを許していたのだけれども、最終クォーター残り3分で2点差にまで追いつくと盛り上がりは最高潮!最後7秒で逆転の3ポイントシュート!・・・・・が無理矢理だったので入るはずもなく惜敗。振り返ってみれば内容的には完敗。そして6連敗。こうなったら少しでも多く負けて来年のドラフトでいい選択順位をもらえるようにしたほうがいいかも。

という悲しいゲーム結果ながら、今回はそこそこ良い席でみれたので平均身長2mのプレーヤー達のスピードとパワーを感じることができたし、その中でBucksのガードが身長165cmしかないのに常に良い動きをしてゲームをコントロールしていたのは見にきた価値有りだった。
日本からきて下位リーグ(NBDL)で頑張っている田臥君も170cmちょっとしかないけれども、おそらくこの彼にはかなわない。NBAは意外と身長が低い選手も存在しているし、個性を持ったメンバーがチームとしてまとまって、個人能力で上回るチームを負かしてしまったりする。だからバスケは面白いしやめられない。

2007年4月13日 (金)

Focus on people

20070412_1 今日は午前中の授業が終わると、みんな一目散に教室を後にした。ジャック・ウェルチ氏がやってくるのだ。
彼はジェネラル・エレクトリック社のCEOを20年も勤め、Fortune500から最も優れた経営者に選ばれたこともある有名人。300人は入るだろう会場はMBA関係の学生を中心に1時間前からごった返していた。
特に主題のある講演でもなく、ホストを務める教授と会場からの質問に答える形で1時間うだうだ話をするだけなのだけれども、ファンも多いようでサインしてもらうために彼の著書を持って来ている学生も多かった。

彼も70歳を越え、とうに引退している身なので精力的に何かをアピールするわけでもなく、笑いをとりながら自分の価値観を語ってくれたのだけれども、一言で言うなれば「企業は人なり」だと伝わってきた。容赦なく事業閉鎖や解雇をするCEOとして聞いていた感じからは意外だったのだけれども、「情けをかけて後でもっと困った事態になったときに決断するのと、どちらが皆を不幸にするかを考えると明らかだ」という言葉からは、ちょっと過去の苦労がにじみ出ていた。

早速MITのWebに記事と動画がアップされているので興味のある方はどうぞ。

それにしても日本企業はMITでも常に分析の対象になっている。ウェルチ氏もトヨタの経営について少し語ったのだけれども、その他の日々の授業でも日本企業の例が出てこない日はないと言っても過言ではない。
今日も午後の授業2つの中で日本企業が分析対象として登場した。中でもゲスト講師が語ってくれた”Globarization”の例は非常に面白かった。
アメリカの企業が生産拠点を中国に移す場合、中国の製造会社と契約して生産を委託するのが一般的だそうな。それに対して日本の企業は自社の生産拠点を中国に建てて現地で職員を採用する方式をとることが多い。

その根本にあるのはInnovation(創造性)についての考え方の違いのようだ。
つまり、アメリカ企業にとっては、製造は単なる作業と割り切れるものでスペックをクリアしてくれるのであれば誰にでも任せられる仕事なのだ。バリューチェーンの一番重要なところ、新しい製品や技術の創造と製品設計さえ押さえておけば良いということらしい。iPodが良い例だろう。
一方で日本企業は、経営、研究、設計、製造の全てが密接な関係を持っていると考えているところが多く、製造現場の経験を次の製品開発に生かすと言う考え方や、バリューチェーンの全てをカバーすることが競争力維持につながるという考え方だと分析されていた。

エッセンスとしては、短期的な利益はアメリカ企業の方が大きい事が予想されるけれども、日本企業の方式も学習効果が高く長期的な利益はこちらの方が大きくなる可能性もある。グローバリゼーションも様々な戦略が共存し得るということだった。

僕からすると、改善を支える生産現場労働者の能力の差は特筆に値するにしても、単に人材を数年ごとに入れ替える契約主義の文化と、長期雇用で大成するのを待つ文化の違いが反映されているだけであって、企業も産業も国による経営戦略の違いがあっても全て人が基本。それは忘れないでおこうと再確認した一日でした。

"If you run a company like GE, you don't know much in the way of details about the businesses ... what you do know about are the people you're dealing with. In the CEO's world, it's the people you need to focus on. The CEO of GE puts the right people in the right jobs, gives them the resources they make a case for, and gets out of their way."  (Jack Welch氏の今日の言葉から)

2007年4月10日 (火)

授業 System Architecture (Vol.9)

20070410_1 これまではシンプルなシステムを例に話をしてきたけれども、そのシンプルなシステムをどこまで組み合わせていけば複雑なシステムになるのだろうか。そもそも複雑さという非常に抽象的なものはどうやって計るのがいいのだろうか。
例えば次の数を数えてみると厳密には定義できるかもしれない。

・何種類の部品から構成されているか
・何個の部品から構成されているか
・部品間は何種類のインターフェース(形状、力、電気、熱など)を持っているか。
・部品間のインターフェースはいくつか

しかしそもそもが複雑なシステムなのに、その数を数えるだけでも大変だし厳密に数えたところでそれほどのメリットが有るとは思えない。なので拍子抜けかもしれないけれども、おおよその規模を把握して相対的に決めるのが良いようだ。

だからといって複雑さを気にしなくて良いわけではない。システムエンジニアは常に複雑さを上手く裁いてシステムをわかりやすく示していかなければならない。その方法の例としては大きく分けて次のアプローチがある。
抽象化する
 複数の要素を一つに纏めてしまえば構成はぐっと簡単になる。
分解する
 大きな要素を分割して内部構成とその動作を明確化する
階層化する
 物理構成や機能のレベルをそろえて段階的に物事をとらえる
繰り返しを見つける
 入れ子状態になっていたり、同様の要素が並んでいたり繰り返されるパターンを見つける。

実際の設計では、Whole Product Systemは何か、Use Contextはどうなっているかなどを考えながら、これらを上手に組み合わせて、自分が対象としているシステムを分解すると共に旨く抽象化することが求められる。おおよそシステム設計の段階では対象とするシステムの上位1階層、下位2階層について考えるのが良いようだ。

最も、如何にして求められる機能と性能をシンプルなシステムで実現するか、これを忘れては元も子もないけれども。

2007年4月 9日 (月)

American kitchen, again.

20070404 だいぶ前にアメリカの台所がどうなっているかを紹介したけれども、検索サイトからその記事を訪れてくれている人が少なからずいるようだ。やはりアメリカに住む上で一つの大きな問題になるんだろう。
その後も我が家では2,3度火災報知器を鳴らしてしまっているのだけれども、ポークチョップやステーキを焼くと、電子レンジに組み込まれた換気扇はそのまま白い煙をぶわーっと吐き出すし、どうしようも無いのであきらめている。
煙を吐く元凶のオーブンは鶏や七面鳥の丸焼きはしないのであまり使わず、希にラザニアを焼くのが関の山。

その代わりに、ちょくちょく使っている強力な武器が日本から持ってきた魚焼き器。
さすがに魚の塩焼きはこれじゃないとできないけれども、それ以外にも鶏肉や羊肉を焼いたりするのには本当に重宝している。
日本で買うときには煙90%カットなんてどうせ最初だけか嘘っぱちだぜ、なんて思っていたのだけれども、オーブンで焼くとあれだけもうもうと出てきていた煙が全くと言っていいほど出てこない。
ボストンは日本人が多いので炊飯器もホットプレートも売られているけれどもこればかりは売ってない。
アメリカに住むなら日本から持ってくるものの必需品として紹介されていた意味がようやくわかった。

話変わって、先日アパートの管理会社からお知らせが来た。「火事意外で部屋に煙が充満したときには玄関の扉ではなくて、風呂場の換気扇か窓を開けてください」とのこと。
なんでも料理を燃やしてしまったある住民が煙を逃がそうとして玄関の戸を開けたところ廊下に回った煙を共用設備の火災報知器が関知してアパート全体に火災警報を鳴らしてしまったらしい。それだけには収まらず、自動的に市の消防署に連絡が行く仕組みになっていたようで大変だったそうな。

そのとき家にいた妻はどうしたかというと、火災報知器が鳴り終わった後、館内放送で流れた「今の警報による火事の心配は有りません」というアナウンスを聞き取れた自信が無く、コンシェルジュに電話をかけて理解できるとも思えず、もしもの事があってはいけないと思って、娘に外出着を着せて、貴重品を持ってロビーまで階段で下りて確認したらしい。

「ホントに疲れるから、根本的に解決してよね!」という妻の怒りも全くだし、英語能力が無いとこういったトラブル対処への根本的な解決にはならないのでどっちもどっちかもしれない。
少なくとも万が一のことがあっても最大限生き残れそうな妻の努力に感謝なのだけれども。
アメリカのキッチンは相変わらずお騒がせです。

2007年4月 6日 (金)

授業 System Architecture (Vol.8)

20070404_1_1 日本語には「概念」と訳される事が多い"Concept"。そのまま「コンセプト」と呼ばれることも多いことからもわかるように「コンテクスト」や「アーキテクチャー」と並んでなかなか日本語ではピンと来ない言葉じゃないだろうか。

定義の一例としては、
システム(や製品)の機能を物理的にどう実装するかについての考え方や見方、抽象的なイメージであり、アーキテクチャ構成の根拠となるもの。システム(や製品)をどうやって実現するかを示すもの。何をどうやって利用、運用するかの基礎的な考え方を表すもの

と言えるだろう。毎度の事だけれども「唯一の正解」は無いので他にも定義が有れば参考にして欲しい。

もう少し噛み砕くと、実現したい機能を物理構成に割り当てたのがアーキテクチャーだとすると、なぜそのような割り当て結果が得られたのか、それがどう使われることで目的となる機能を実現するのか、ということを説明するのがコンセプトだろう。

注意して欲しいのは、最終的に実現したい機能は、手段を限定することが求められていない限り、どうやって実現するかはわからない表現であることが望ましい。知らず知らずのうちに思いこみだけで実現方法を制限してしまうことがあるからだ。

それでも実際コンセプトとして表現されている事例を見ると、「何がどう構成されているか」という物理構成、もしくは「どう使うか」の手順だけが示されていて、何故何のためにそうなっているのかわからない事が意外に多い。

ちなみに「コンセプトモデル」という言葉は造形の分野で使われることが多いけれども、機能だけではなくて見た目のかっこよさなどに力点が置かれていることが多い。個人的にはそれが目的の一つであれば、コンセプトと言ってもいいと思っている。

写真はMIT Media Labが研究しているCity Carのコンセプトモデル。街中のチョイノリ用のシェアカーで、まるでショッピングカートのよう。

2007年4月 5日 (木)

Lottery

20070403 一昨日から降ったりやんだりの雨は、今日の午後になって雪に変わった。
4月の雪はそんなに珍しいことではないと知ってはいたけれど、最近暖かくて春っぽくなってきたのでちょっとへこむ。

でもそんなときこそいいことがあったりするもので、MLB、RedSoxのゲームチケットが2枚手に入った。
MITが学内関係者向けに席を押さえて購入権を割り振るクジ、Lotteryに当たったのだ。
ホームスタジアムのFenway Parkは電車で行ける便利な場所にある反面、球場が狭くて席が少ない上に、阪神タイガースのごとく熱狂的なファンが多いので既に今シーズンのチケットを正規ルートで買うのは非常に難しくなっている。特にNY Yankeesとの試合は往年の阪神巨人戦以上らしい。
ゲームは8月なのでまだまだ先だけど、そのころには娘も人に預けられるくらいには成長しているはずなので、妻と2人で記念観戦してくる予定。
残念ながら弱いチームとの試合だけれども、夏の午後のスタジアムの雰囲気を存分に楽しみたいところだ。

ちなみにバスケット、NBAの場合はCelticsが近年ヒジョーーーーに弱く、プレーオフどころかリーグ最下位を争うシーズン最終盤、来週のチケットが50%OFFで売り出し中。せっかくなので友達と行ってくる予定。

2007年4月 3日 (火)

Sigma

20070402_2 日本でも新年度が始まって、新社会人が街にあふれている頃だと思うけれども、
こちらはつかの間の忙しいSpring Breakが終わって今日から春学期の後半(H2)が始まった。
新しい授業もいくつか始まっているのだけれども、このサイトでの授業紹介はまだ1月終盤・・・紹介するにはもう少し時間がかかりそう。
スラムダンクのようにならないよう頑張ります。

と、同時に今日は娘も2ヶ月検診で妻が連れて病院へ。
そうしたら、予防接種を打つはずだったのがワクチンが古いのしかないとかで再び予約を取る羽目に。
やはりアメリカ、Easy Go Luckyの精神もここまで来るとあきらめるしかない。
身体検査だけしてもらったらしいのだけれども、至極健康で問題なし。

それでも一つだけ恐れていたことが現実に・・・・。

彼女は成長曲線の平均を上回る勢いで成長してます・・・・アメリカ人の。
身長体重頭囲共にアメリカ人の65~75%のところに位置している。正規分布の1σに収まってないかも・・・
まぁ親が日本人の2σの上限に沿って成長したから仕方ないけど、どこまで育つ事やら。
楽しみな反面、苦労するんだろうなぁと我が人生を振り返る。

あと、アメリカ人の成長曲線を眺めていて面白かったのは、身長と体重は分散が3歳まであまり変わらないのに、体重だけは上側の分散がどんどん大きくなっていくこと。
やはり子供のうちから肥満が多いのかもしれない。
この一年はアメリカナイズされずにヘルシーに育てようと決意したのでした。

2007年4月 2日 (月)

Space Launch Systems Guide

20070402_1 とある授業でグループワークをしているクラスメートから”俺のバイブルだ!”と紹介されたのがこの本、International Reference Guide to Space Launch Systems -Fourth Edition-

情報提供者リストの中にJAXAからも7名が記されている事もあってか、日本でもロケット関係者の中では有名な本らしいけれども全く知らなかったのは不覚。

というのも、世界の打上システムとサービスを網羅的に知るには非常によい本だという印象を受けたからだ。
ロケットのリストだけを見てもメジャーどころはもちろん潜水艦から打つShtilから開発中のK-1やVegaまで含まれているし、ブラジル、インド、イスラエルといった比較的マイナーな国のロケットもばっちり網羅している。

実は恥ずかしながら本当に驚いたのは各ロケットの解説内容だ。
もちろん各ロケットの構成、エンジン性能、バリエーション、性能曲線(衛星質量と投入軌道&高度など)、フェアリング形状とアダプタ(衛星が搭載できる空間と取り付け方法と言えばいいかな?)、衛星への要求条件などに注力されているのだけれども、それ以外の情報が日本語のロケット解説書と比べてかなり充実している。
日本のロケットではM-VとH-2Aが掲載されているのだけれども、例えばH-2Aについては年間に打ち上げられる回数や漁業問題による打上期間の制限、ロケットがどこで誰によって製造され種子島で打ち上げられるか、射点や運用がどうなっているかが概説されている。さらには、源流のN-1まで遡って開発と性能向上の歴史、打上履歴、失敗とその原因が概説されていて面白い。

そして、一番初めのロケット概要には、主要な組織としてこう書かれている。
Marketing Organization:           Rocket System Corporation/Mitsubishi Heavy Industries
Launch Service Organization:   JAXA/Mitsubishi Heavy Industries
Prime Contractor:                  Rocket System Corporation/Mitsubishi Heavy Industries

RSCとMHIがセールスやっているのは知っていたけれども、どこまでマーケティングはやっているのかちょっと気になる。
今日の「民営H2A打ち上げ、1回ごとに国費要請…三菱重工」というニュースで、

・・・H2Aの打ち上げ事業は02年、国から三菱重工に移管する方針が決まり、1日にスタートした今年度から正式に移管された。三菱重工は民間受注を目指して営業活動を展開してきたが、外国のロケットより割高な打ち上げ価格がハンデで、受注実績はない。・・・

・・・「産業支援にあたるため、宇宙機構の予算で計上するのは難しい。H2Aは打ち上げ精度などを高めれば、今の価格でも外国勢に対抗できるはず」(文科省)など慎重論もあり・・・
(出典:Yomiuri Online)

とあったけれども、この本で他のロケットの情報を読むと、本当にロケットの値段と性能の問題かなと疑問になってくる。信用性はともかく公開情報源を参照すると打上費用は、H2A202:$80M、Ariane5G:$180M、Delta4 Mid.:$90M、とデュアルロンチがほぼ前提とも言えるAriane5Gの値段は半分としても、そんなにひどい値段じゃ無いと思うのは気のせいだろうか。性能についてはむしろH-2Aが多くの点で勝っているんじゃないかと思う。

気にすべきは契約手続きから衛星打ち上げまでの商用サービスがどうなっているかだと思う。その点が諸外国と肩を並べられる位にならなければ、いくら打上費用を国が補填したところで商用打上の契約は取れないと思うのだけれどもどうなんだろうか。

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