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2007年5月28日 (月)

Business Ecosystem

20070527_1 自分の仕事に影響するのが顧客だけと言うことはまずあり得ない。これは民間企業でも政府組織でも、果ては国家でも同じ事。コンポーネントや部品の供給者からシステムを運用してサービスを提供する者まで幅広い階層に分かれている。さらに同じ階層には様々な特徴を持った競争相手がいるし、複数の階層に渡って事業を展開している場合もある。

更に自分のビジネスのコアとなっている技術と競合する技術も考えに入れなければならない。例えば情報通信にも衛星無線、地上ケーブル、地上無線など色々あるし、無線においては数々の通信標準がある。

例えば前回例に出したSonyの電子ブック。E-inkの技術はE-ink社から供与されているし、そのほかの部品やコンポーネントで部品メーカーから供給されるものもあるはずだ。そして製造した電子ブックは量販店やオンラインなどの販売チャネルで売ってもらわなければならない。なにより、出版社と作家からのコンテンツ供給、オンライン販売網の確立。どれを欠いてもうまくいくわけではないし、競合する紙の本、携帯電話、PDA、ウルトラモバイルPCなどとの差異化と競争力維持も非常に重要だ。

こういった競争&協力相手とそれぞれがカバーしているビジネスの階層、さらには異なる技術における同様の関係を総合してビジネスエコシステムと呼ぶ。これは一見当たり前のことのように思えるけれども、全容を漏れなく把握して皆で共通認識を持っておくためには非常に有効な物の見方だと思う。
そして、各社がどういうポジションを取ってどういう競争&強力関係、利害関係にあり、どの分野に進出していこうとしているかというダイナミクスを把握できる勢力地図にも使える。

そしてもっとも有益だと思えるのは、どこで価値が生まれて誰がそれを享受しているか、自分たちがその価値を継続して生み出し、享受するためにはどうすればいいかという事を考えるための基本になると言うことではないだろうか。

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コメント

>いまさん
コメントありがとうございます。
こちらの言葉足らずで伝わらずすいません。

おっしゃるとおりQFDでは他の動向を考慮するんですが、評価するのは自分たちの設計対象だけですよね。

僕が言いたいのは、
同じニーズを満たす他のビジネス分野や製品、
つまり電子ブックの場合は紙の本、PC、携帯、PDA、オーディオブックなど
を含めたビジネスの全体像を理解して、どの製品がどの階層や機能に領域を広げていっているか、どの製品が競合して自分たちはどこにポジショニングすべきで、誰と何で競争すべきかを捉えるためにQFDを使うのはしんどいのではないかと言うことです。

もちろん、それぞれの分野や製品についてQFDの手法を適用した分析やマトリクスを作成して、それぞれの特徴が俯瞰できるような図を作ればビジネスエコシステムの把握に使えると思いますが、ちょっと労力に見合わない可能性が高いかと思います。

ご紹介いただいたリンクの内容は、マーケティングとQFDの二段階で構成されている気がします。どこで線引きするかは難しいですけどね。

>QFDでは顧客の要求に対してそれを満たすために自分がどの選択肢を取るかと言うことを考えるのだと思います。

そうなのですが、顧客要求を満たす過程において、競合他社との比較分析を行いセールスポイントを見いだし企画品質を定めています。つまり他社の動向を考慮した上での設計になると理解しています。

http://www.tamagawa.ac.jp/GAKUBU/KOUGAKU/IndEng/ohfuji/Contents/qfdstud.html#qdn

>いまさん
QFDとは目的が違うと思います。
ビジネスエコシステムを考えるときの「競合技術」とは自分が持つソリューションエリアの外にある選択肢との競合や力関係を考えると言うことです。
QFDでは顧客の要求に対してそれを満たすために自分がどの選択肢を取るかと言うことを考えるのだと思います。

つまり人工衛星を商売にしている会社が通信衛星ではなくて地上の通信網を引くという選択肢を取る事はまず無いわけで、2者間の力関係や自分達のビジネスの成立性を考える場合はQFDではカバーしきれ無いと思いますが、いかがでしょうか。

>更に自分のビジネスのコアとなっている技術と競合する技術も考えに入れなければならない。

QFDでもこのあたりはきっちりとらえていますね~。

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