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2007年5月21日 (月)

Dominant Design

20070520_1 先日紹介した技術のSカーブで示した、技術の性能と活動する企業の数は必ずしもあのグラフ通りにマッチするわけではないけれども、企業の数が減少する1つのきっかけとしてDominant Design、つまりその製品やサービスにおける最も優れたデザインの出現がある。

例えば、MP3プレーヤーであればiPod。もちろんiPodはiTunesやiTune Storeも含めて優れているのだけれども、決して先行者でないiPodが市場の多くを握った今、どれだけiPodに似た製品があふれているかは承知の通り。

自動車、携帯電話、ノートPC、ある程度成熟した市場であれば大きなシェアを有している製品同士を比べると、基本構成は同じであることが多い。市場が成熟するまでにかなりの時間がかかっていた頃と違って、そのサイクルが短い最近では一度このDominant Designが出現してしまうと、機能や使い勝手でこれを上回るのは非常に難しく、新規参入の壁が高くなり、競争力を維持できない企業は撤退していく。そして標準化が一気に進むことが多いようだ。

20070520_2 ただしこの理論が当てはまるのは主に大量生産のコンシューマー製品のようだ。僕のチームが授業で取り組んだ「(使い捨て)ロケット」は、1950~70年代に開発された大陸弾道弾や欧米のロケットが基本的な構成を決めてしまい、個々の技術の継続的な向上はあったとしても、マクロな観点ではあまり変化がなく、市場の成熟はそれとは全く関係ない1990年代だろうと結論づけた。スペースシャトルやX-34、Pegasusなどの全く異なるデザインの機体もあるが、いずれも消えていったか生き残っていても市場規模から見ればかなりの少数派だ。
Dominant Designがあまり有効な市場の指標として使えない理由として考えたのは以下の通り。

  • 射場設備や運用も含めた高度かつ複雑なシステムであり、善し悪しが単純に比較できない。
  • 打ち上げサービス購入者の75%が政府であり、価格や性能だけではなく、セキュリティ、信頼性、国益などの力が大きく働く
  • 多額の投資を必要とし、生産数が世界で年間数十基と非常に少ないため、企業数が少なく新規参入障壁が高い

そして最近気運が高まっている宇宙旅行の活動については全く違う市場を切り開く事になるので、使い捨てロケットを衰退させる事も無いと予想している。

使い捨てロケットに取って代わるのは・・・スペースエレベーターか?それとも再び再利用ロケットが姿を現すか?

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コメント

>うっちーさん
ええ、チャレンジしました(笑)
NASAとか空軍とか嫁さんが火星探査機の開発やってるとか、意外と宇宙関係者がが集まってしまって。
やるとしたら、衛星よりロケットだよなー、最近FalconとかSpace Ship Oneとかあるし探ってみっか、と言うことになったのでした。

これまでのReusable Launch Vehicleはことごとくビジネスとして失敗してるし、FalconやKistlerも順調とは言い難いし、期待はしててもほんとにいつになるかわかんないですね。

「(使い捨て)ロケット」をテーマに選ぶなんてチャレンジャーだなぁ(笑)

国益にも通じると思うんだけど、国として保有する必要性、
大多数の国での軍の関与なんかも大きな要因だろうね。

取って代わるのはやっぱりRLVでしょ。いつになるかは分からないけど・・・。

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