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2007年6月10日 (日)

Thesis Proposal

20070609_11 昨日はMITの卒業式。月曜日から始まる夏学期の教科書を買いにCOOPまで出かけたら記念品を買い求める家族連れでごった返していた。Sloanは建物の前でパーティ、みなさすがに晴れやかな表情をしている。卒業式は年に一回なので、1月に学位を受けた場合にも式典に出たいならば6月に戻ってこなければならないけど、是非ともそうしたいと思わせる光景だった。

さて、僕が参加しているMITのSDMプログラムは工学修士の学位をもらえるので論文を書かなければ卒業できない。ただ、僕たちはどこかの研究室に配属されるわけではない。自分で研究をしたい分野の教授をつかまえて、アドバイザー、スーパーバイザーとして研究を指導してもらい、卒業時には修士論文として認めてもらうことが必要なのだ。

最短の13ヶ月で卒業しようと思うと、夏学期には論文のための研究テーマを決めて、研究を始めないと間に合わない。既に卒業まで7ヶ月間しかないし授業を取りながらなのでかなり忙しいことは間違いない。僕もほぼ指導教官の目処をつけて最終的なテーマを選定し、Thesis Proposalと呼ばれる文書の作成と最終調整を進めているところだ。

このThesis Proposalと言う文書は日本の大学では学士、修士の時には書かなかったし、そんなものがあることさえ知らなかった。書かなければいけない主な項目は次の通りだ。

  • 論文タイトル
  • 動機
  • 研究の主要目的
  • この論文で取り組む事(Thesis Statement)
  • 工学およびマネージメントの観点から見て含まれる内容
  • 研究の進め方
  • スケジュール

要は研究を始める前に、どのような研究を・なぜ・いつまでに・どうやって進めるかの計画を立てるのだ。
SDMの学生は100%社会人経験を踏んでいることもあって、多くの学生が企業での事例検証(Case Study)を行う。教授も理論に対する検証事例が増えるのでこれを好む事も手伝っている。理論の構築や企業から出資を得て実験をする学生はかなり少ない。
もちろん事例検証が簡単かというとそうでもない。企業の情報を外部に出すことになるので、いかに情報を匿名化して企業の了解を得るかが問題になる。軍事産業や、航空宇宙産業の場合は特に難しい問題になる。中には論文を書き終える直前になって企業から待ったがかかった例もあるらしく学校側も非常に気を遣っている。

ただ、欧米の企業を題材にした事例検証の論文を読み込むうちにすごいなと思うのは、設計変更や仕様変更をいちいち文書にして記録していること。一日に個人が何回もその記録を書かなければならない場合もあるだろう。その徹底的な文書化による開発管理と、ある程度人に任せて定期的に記録をまとめて取るやり方と、費用対効果でいうとどちらがいいのかはわからないけれども、何が起こっているかを把握して改善していくには前者の方が向いている気がする。

というわけで、多分に漏れず僕の論文も文書ベースのデータの分析ではなく、インタビューや記憶を頼りに分析をする割合が多くなりそうな予感がしている。

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