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2007年7月 3日 (火)

ものづくり ~ニーズ再考~

20070702 前回、前々回と、対象にしたマーケットセグメントにニーズがある事を前提として話を進めてきたけれど、以前First Mover Advantageの記事で紹介したように、製品が市場に出回って初めてニーズが生まれてくる場合もある。例えばコピー機やi-modeのように「そんなもん誰が使うんだ?」と言われながら大ヒットになった製品は枚挙にいとまがない。これは使う側の行動パターン自体を変えることが出来るだけのメリットがあってこそなので、そう簡単に出てくるケースではない。

また、これまでにマーケットになかった製品は必ず予想だにされなかった使い方をされるからニーズを明らかにするのは不可能だという話を聞くこともある。もちろんそれは正しい。しかしプロジェクトの主要な目的となるニーズを特定せずにスタートすることになると失敗の確率が非常に高い。何より開発する側が何をプロジェクトのゴールに設定して良いかわからなくなり、出来るだけ良くしたいとの思いから、幻を追いかけるがごとく、いつまで経っても開発が終わらないという可能性もある。そのリスクを負ってでもプロジェクトをまとめ上げて世の中に問うてみる価値があるというならばそれも良いだろう。ただし全く売れなかったり、ニーズが出てくるまで長期でじっと耐えなければならない覚悟が必要だ。

最後に、まったく世の中に存在しないサービスを新たに立ち上げようと言うとき、つまり競合他社がいない場合にはチャンスであると同時に非常に危険であることを覚えておかなくてはならない。今まで誰も本当に思いつかなかったのか、それとも既に誰かが失敗しているのか、とても成り立たないと放棄されている市場なのか、よくよく調べた方が身のためである。

と、さんざんニーズを知ることが大事であるかのように書いてきたけれども、ニーズに応えてばかりいると長期的に失敗する可能性もあることは確かだ。これはS-Curveの記事で紹介したのでそちらを参考にして欲しい。今まで顧客の欲しいと言っていたものを提供し続けていたはずなのに、新しい技術が台頭して、これまで顧客が満足していた製品のシェアを見事に奪っていくのが世の常だ。

要するに、顕在化しているニーズをがっちりとらえて素早くいいものを提供する活動と、過半数は失敗しても良いから将来を見据えてニーズを先取りするための活動の違いをしっかり認識して、自分たちが今何をどういう戦略の元にやっているのかを把握しておかなければならない。それによって何をいつまでにやらなくてはいけないか、どういう技術、どれくらいのコストとリソースがどのタイミングで必要になるかが変わってくる。

戦略、戦略、戦略、そしてタイミング、タイミング、タイミング。

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