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2007年7月11日 (水)

ものづくり ~正解はありません~

20070710_1 世の中で起こる問題には複雑であればあるほど「誰にとってもこれこそが正解!」という唯一の解が存在しないことが多い。これは「こちらを立てればあちらが立たず」というトレードオフの関係にある要素が絡み合っているせいで、何をどれだけ重要視するかによって最適解が変わってくるからだ。

一見当たり前のように思えることだけど、受験勉強の弊害なのか日本で受ける講習やトレーニングでも「答えは何なんでしょうか?」とか「模範解答が知りたい」という声を良く耳にする。1つの基準値を最大にするためにパラメータを変えるだけで解決してしまう問題を解くことを続けるならばそれでもいいけれど、実際は世の中はどんどん未知のものが出てくるし、状況の変化に伴って初めて目にする問題に取り組まなくてはならない事ばかりだ。そういう中で本当に大事なのは、どういう解答が正解かを覚えるよりも、どういう理論と道筋をたどってその答えにたどり着いたか、それが上手く機能することがどう説明できるかといった能力、対応力ではないだろうか。
僕がMITでSEを学んでいる最大の目的は、システム開発においてエンジニアリングに関する様々な問題や課題が出てきたときにどうやってチームで解決に導くか、その考え方と進め方を少しでも身につけることだと思っている。更に言うと形式的だったり漠然としていてよくわからないと言われがちなSEの理論と実践をつなぐ事が少しでも出来ればと思っている。

さて、話をものづくりに戻そう。何かを設計していて最適解を探しているとどんどんトレードオフの対象が増えてきて、解決策の候補のバリエーションが無数に増える。ここで経験豊富なエンジニアであれば、知識や経験に基づいて何を変えればどこにどういう影響が出るか、今の時点ではどのポイントを押さえることが重要かを知っているので、見込みが無いと思われる候補をバシバシと切って最終候補を絞り込んでいく。
経験がなければどうするか。時間をかけて詳細に解析してみたりシミュレーションしてみるしかない。逆説的なようだけれども、経験がないエンジニアほど答えを出すのに詳細な解析を必要とする事が多いのだ。

こうして設計を進めていくと、いくつかの候補が形を成してくる。特にシステム設計とか概念設計と呼ばれるプロジェクトの極初期には様々なアイデアが浮かんでくるものだ。
それでもそれらの候補は最終的には1つの案に絞り込む必要がある。新型新幹線みたいに最後まで2,3残す事もあるけれど、普通は開発が進むと共に意志決定をしていかなければならない。

じゃぁその意志決定はどうすればいいのだろうか。経験?数値?カン?

写真は少し見にくいけどApollo宇宙船の代替案で没になったシリーズだ。

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