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2007年7月22日 (日)

System Dynamics(その3)~Forrester氏が来る~

20070721_sd4 先日の授業に、なんとSystem Dynamicsという学問分野を50年前に確立した張本人、Jay Forrester氏がレクチャーをしに来てくれた。1つの分野を確立した張本人から直接話を聞けるなんて滅多にない機会なので本当に嬉しいことだ。
しかし50年前に分野を確立したと言うことは間違いなくかなりの高齢である。MITの航空宇宙学科には1969年に初めて人類を月に送ったアポロ計画で働いていたエンジニアが当時を振り返ってエンジニアリングとマネージメントを教えてくれる授業があるけれど、それを遙か20年も遡ることになるのだ。

実際、想像通り91歳という高齢だったけれど失礼と言えないほどに明らかに若々しく、120分の授業を立ってやり通した体力は圧巻だった。話の内容も深い洞察に富んだものでなかなか面白かった。後10年は達者で暮らされるであろうし、そう願うばかりだ。

さて、そんな彼がシステムダイナミクスについて語った内容は以下のような事だと自分は理解している。

  • 目の前の状況を改善するために良かれと思ってやったことが回り回って大きなダメージを生むことが往々にしてある。そんな事態を生まないために、取り巻く状況や因果関係の全体像を上手く把握し、どういうアクションを取るべきかを考えることを助けたい
  • 数式では表せない社会現象も論理的にモデル化できる
  • 論理だけでもモデル化できてしまうが故に、論理の飛躍や間違った論理展開を内在してしまう可能性がある
  • モデルのパラメータをチューニングするには実例からデータを集めてくる必要がある
  • コンピュータの発展により、想像だけじゃなく実際にモデルをシミュレーションすることが可能になった。早い段階でシミュレーションを繰り返すことは、安価にいくらでも失敗できる良い機会である。それによって後の失敗を防ぐことに寄与したい

一言で言ってしまえば、「システムダイナミクスという学問とテクニックを知っていればモデル化やシミュレーションが出来る。その一方で、何が正しくて有効かを判断するには実経験が必要である」と言うことになるかもしれない。

それでも物事の全体をとらえてシステマティックに考えるというトレーニングを日頃から積んでおけば、経験を効果的に生かす事もやりやすくなるだろうし、人にも伝え易くなるのではないだろうか。
僕も経験豊富で尊敬すべき人たちのうちに、自分の考えや仕事のやり方を全く説明出来ない人たちを沢山知っている。「どうするかは聞いてわかるもんじゃない、だまって一緒に仕事をすればそのうちわかる」と言う状況は、システムダイナミクスが普及すれば少しは減るかもしれない・・・・というのは期待しすぎ?

写真はForrester氏がシステムダイナミクスという学問を生み出すきっかけになったある企業の在庫管理のダイナミクス。

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