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2007年8月29日 (水)

Function, Project, Matrix(その2)

20070828_1 前回はファンクション制とプロジェクト制の特徴を説明したので、今回はそれらの良いとこ取りを狙うマトリックス制について説明するところから始めよう。

マトリックス制は、専門分野のグループとプロジェクトのグループを同時に置いておき、プロジェクトに所属する職員も漏れなくいずれかの専門分野に所属している状態である。そしてプロジェクトと専門分野グループを行き来することになる。こうすることで専門能力の向上とマーケットニーズへの感度向上を組織レベルはもちろん個人レベルでも果たしてしまおうという一石二鳥な制度なのである。もちろん仕事上の評価は仕事上の割合に応じて専門分野とプロジェクトのリーダー両方が行うことになる。

ちなみに、組織の中でプロジェクトグループと専門分野グループがあっても、人が行き来していなければ、マトリックス制とは言えないので注意して欲しい。もちろん人には特性が有るので、管理職レベルになればどちらかに固定することは有っても、若手までがどちらかに留まり続ける傾向が有れば、それは単に開発部門と研究部門が分かれているに過ぎないので、下手をすると両部門の乖離が進んでいく可能性がある。

と、ここまではマトリックス制がすばらしい制度のように書いてきたが、マトリックス制を敷いたからと言って組織が上手く回ることが保証されるわけではない。この制度にだって問題点はちゃんとある。まずは管理コストなどのオーバーヘッドコストが高く付く傾向にあること。
1人が2人の上司を持つ事になるので当然である。それにどちらの部門のリーダーも優れた部下に出来るだけ多くの仕事を割り振りたい。と言うことで優秀な人材を巡って部門間の調整が必要になる。

そして最も大きな問題は、その優秀な人材の確保合戦が始まることだ。たいていの場合、専門分野グループではなくてプロジェクトグループに優秀な人材が集まる傾向がある。人出不足の組織ほどその影響が強く表れるようだ。何故なら実際に顧客と納期を抱え、短期間で成果や儲けを沢山出しているのはプロジェクトグループであるからだ。逼迫した状況では、長期的な投資よりも短期的な儲けを、将来成果が出るかどうか不確定な研究よりも短期で成果が見える開発をとる方が魅力的だからである。こうして研究と開発のバランスが崩れると同時に歯車がかみ合わなくなり、研究部門が形骸化して開発部門とも乖離してしまいかねない。

ということで、ファンクション制、プロジェクト制、マトリックス制、どれをとっても長短併せ持っているし、完璧な組織形態はまだ見つかっていない。多分無い。
大事なのは、これらの長短を理解した上で自分たちの組織にはどの形態がマッチしているかを考えて選択すること。そしてその短所を補うべく組織それぞれにおいて、マネージャーの経営手腕が問われるわけである。

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