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2007年8月20日 (月)

人と組織@システム開発

20070821_1 システム開発を行う組織において、組織内での「技術的な」コミュニケーションは非常に重要な要素だ。

どういう事かというと、問題解決のアイデアは個人が考え抜いた結果突然ひらめいて一件落着と言う事にはならない。個人がクリエイティブ&イノベイティブであることを前提にしても、常に同僚やチーム内でのアイデアの交換、議論の中で徐々に芽生えてくるアイデアがキーとなって問題解決に向かうことが多いということだ。
それにいくら個人が優秀でも組織になるとうまくいかないことも多い。何故ならビアゲームで説明した理由だけでなく、その優秀な個人が組織全体のメリットのために自分がマネージメントするグループの評価を下げる行動を取ることは稀だからだ。自分のグループ、自分が所属する本部、自分の部下、いずれにせよ自分が評価されるローカルな範囲でのパフォーマンスを最大化する方向に走るのが普通である。どこかに必ず見えない壁がある。
これらがグループでシステム開発に当たる組織の運営を難しくする(もちろん他の業種でも起こりえる)。

とある教授の50年にわたる研究の結果と経験によると、組織内でのコミュニケーションの取り方や社員の行動に大きく影響する要素が2つあるそうだ。
組織構成と職場のレイアウトだ。

組織構成は、例えばプロジェクト単位でグループが分かれるプロジェクト組織、技術的な専門分野単位でグループが分かれるファンクショナル組織がある。そしてそれらの短所を解決するためにいいとこ取りをしたはずのマトリックス組織。しかしマトリックス組織でも上手く機能していない会社が多いのは何故か?
また、社内の昇進制度も含まれる。同じエンジニアでも、徐々に技術専門職としての道とマネージメントの道に分かれていく事も少なくないはずだ。しかしマネージメントの道に進む方が早く昇進する企業が多いのは何故か?

物理的レイアウトは、個室で働く欧米スタイルと大部屋で働く日本(アジア)スタイル。さらには1つのビルの中でリフレッシュコーナーなどのオープンスペースをどこに置くか、グループ同士の位置関係をどうするか、設計、製造、試験、セールス、これらの部署を同じ敷地内でどう配置するか、もしくは全事業所を地理的にどこに割り振るか。グローバル企業であればその問題は大規模で難しくなる。日本では多くの企業が本社を東京に置く中で、松下やトヨタが相変わらず地元に本社と開発と製造拠点を持っているのは何故か?
いずれにせよそれによって人々のコミュニケーションや働き方に違いが出るというのだから面白いものである。

実はこれが春学期の授業で1つだけ全く紹介していなかった授業、Organizing for Innovative Product Developmentだ。教鞭を執っていたのはSloan Business SchoolのThomas Allen教授。もう70代の後半なので補聴器をつけて、椅子に座ったままタブレットPCとスクリーンを黒板の代わりに使って授業をされたのだが、その良く通る声と溢れるエネルギーで進める授業はとても面白かったのでこれから少し紹介してみたい。

さて、中身を紹介する前に、まず皆さんで考えてみて欲しい。
世界の裏側にいてもまるで隣の部屋にいるかのごとくコミュニケーションが取れる非常に便利なツールとして欠かせない電話やEメール。みなさんが仕事でやりとりする回数と相手との距離はどういう関係にあるだろうか。そしてその関係はどう説明できるだろうか。

(つづく)

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