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2007年9月 7日 (金)

Managerial Accounting (後編)

20070906 Managerial Accountingは組織や人を思った方向に向けるための戦略ツールとしても使えるのは、人は損得勘定に敏感反応して行動することが多いからだ。

前編の例で言うと、費用を人件費に比例させるのか装置の使用時間に比例させるのかによって、実験装置を更新していくときの選択肢が変わってくる。自動化を進める方が好ましいのか、人手をかける方が好ましいのかは事例によって異なるだろうけれど使う側にどっちが自分にとって得なのかを判断させる基準を変えることが出来る。

マネージャーのボーナスにしても、自分の部門の利益率が他よりも高いことが得であれば自分が持っているノウハウは他人に渡さないし最悪の場合足の引っ張り合いになる。何しろ自分の部門だけが成績が良くて、他の部門が悪ければ自分のボーナスが上がるのだから(長期的には全体が悪い方向に進んで自分のボーナスも下がる可能性が高いけれど)。ボーナスの評価を部門間の相対評価でなく、絶対評価と全部門トータルの利益で評価することにすれば良い。他の部門の成績が上がることで自分のボーナスも上がるわけだから、部門間の相乗効果に目を向けるし知識のシェアが始まる。

アパレルメーカーのコスト負担も同じ事で、共有コストの割り当てを部門の利益の比で割り当てることにすれば他部門の利益を上げるために協力することが自分のメリットにもなる。

その他に卑近な例で言うと、僕のアパートの家賃には上下水道と集中冷暖房の費用が含まれている(アメリカでは結構多いらしい)。そうすると「どうせ定額だし」と思って、地球に優しくないとわかっていても、自分の懐は痛まないのでついつい日本にいたときよりも贅沢に使ってしまう。しかしよく考えるとそれはアパート全体の費用を押し上げて、回り回って最終的に家賃に転嫁される。もしみんなが同じように無駄に使ったら使った分しっかり課金されていることになる。こうして人より多く消費しなきゃ損、という変なスパイラルができあがっていくわけだ。

逆に親子や友達同士で自動車を共有するとして、その維持費や駐車場代をどう分けるか。どちらかが主導権を持っているならまだしも、自動車の購入費を折半した場合には問題が生じかねない。例えば、利用頻度の比率で維持費を割り当ててしまうと「使ったもん負け」なのでなるべく使わないようになってしまう。そうすると一回の利用に割り当てられる維持費が高くなるので更に使わなくなる。結局、自由にいつでも使えるように買ったのに使うと損した気がしてしまうのはコストの割り当てを間違ってしまったからだ。きりよく折半してしまう方がいくらかましだ。

ということで、Managerial Accountingは組織のマネージメントだけでなく、個人の生活の上でも使えるのでこの考え方を知っておいて損はないと思う。

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