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2007年9月15日 (土)

グループとシステム設計(後編)

20070914_1 何はさておきH-2Aロケット13号機、かぐや打上げ成功に心から拍手を送りたい。本当はWeb中継を見たかったけれど、学校でのミーティングが終わって帰ったらすぐに娘を風呂に入れてそれから時計を見たら既にロケットの火が消えている時間だった・・・・。打ち上げをリアルタイムでドキドキしながら見られなかったのは残念だったけれど、次は早く月からの映像が見たい。欲を言えば自分が宇宙船に乗って月の周りを回っているかのような綺麗な映像が見たいのだけれど、これは期待しすぎだろうか。何はともあれ、科学者の人たちがやりたかったことが存分に出来る事を祈るばかりだ。(写真はJAXA提供)

さて、前回紹介したグループを組むだけのことがうまくいかなかった問題に話しを戻そう。情報共有の不足と時間遅れは、あらゆる活動で問題になるのだけれど、うまくいっているように見えて実は大きな非効率を生んでいる事がある。

例えば、グループで何らかのシステム設計をする場合を思い浮かべて欲しい。何でもいいけれども複雑なシステムを設計する場合には、制御、熱、構造、電磁気、通信、化学、空力などの多くの工学分野が絡んでくる。そればかりではなく安全性、信頼性、運用性、試験性、製造性、リスク、コストなどいわゆる"ilities"まで関係してくるので、1チームが10分野の異なる専門家から構成されるなんて事も多い。
その場合、あなたの会社ではグループでどのように設計を進めているだろうか。

大体の場合は次の3つのどちらかだと思う。

  • 数日おきに全体ミーティングを持って纏めつつ、個人に仕事を割り振って担当分野の設計を進める事を繰り返すケース
  • 各分野の設計結果を関連する分野に順次回しながら徐々に設計を進めていくケース
  • 上記2つのケースをミックスさせたケース

最初のケースで問題なのは、ミーティングとミーティングの間に情報共有が行われないことにある。その数日間の間に誰がどう設計を進めているかわからない上に、次のミーティングで集まったときには誰かが設計の条件を変えてしまっていたりして、自分がやった設計の前提条件が古くなってしまっていたりする。新しいアイデアを見つけて頑張って設計を進めたとしても、次のミーティングでは他の人が違う方向で設計を進めていたりする。そうするとまた設計をやり直しになってしまう。なので少し進めては他の分野が終わるまで待つのが良いと言うことになる。

2つめのケースでも、設計が分野毎に1つ1つ進んでいくので時間がかかるし待ち時間がどうしても出来てしまう。なにより全体での同時コミュニケーションが少なくなるのでバランスが取りにくい。

実際のところ日本人は机を並べて仕事をするので、こういった問題が起こらないように普段から非公式な情報交換を行って補うのだけれど、柔軟な反面、ミスコミュニケーションが起こってしまうことを防ぐためには「忘れずに」「がんばる」しかないし、どれだけやれば十分で自分たちはどれだけ上手くやっているかという評価も結果を見ないとわからないという欠点もある。
しかも設計を進めるためのミーティング間の待ち時間はそう減らせるものでもない。

一方で、個室で仕事をするがために日常的に非公式なコミュニケーションを取りにくい欧米人が考え出したのがコンカレントデザインだ。要はミーティングルームにみんなで必要な道具を全部持って集まって、仕事しながら必要なときにコミュニケーションを取ろう、と言うのがコンカレントデザインのコンセプトだ。多少大がかりになってしまうけれど、そうすることでチーム全体でコミュニケーションを取りつつリアルタイムで各自の仕事を進めることができるというメリットがある。

次回はこのコンカレントデザインについてもう少し詳しく紹介したい。

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