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2007年9月26日 (水)

マネージメント教育

20070925_1 今日は授業の前にメキシコでFORDに勤めながら授業を取っているクラスメートとそのマネージャーを交えてのテレコン(電話ミーティング)があった。何故かというと、今学期取っているプロジェクトマネジメントのクラスのグループ課題が、「実際のプロジェクトについてプロジェクトマネジメントの手法とツールを駆使して改善を提案すること」で、チームを組んだメンバーの2人が自分の部署の過去のプロジェクトをその題材にしたいと提案してきた。そのために実際にどういう情報が開示可能で、それを使えば学生と企業の両方にどういうメリットが有るかを確認するための打ち合わせだったのだ。

この授業を取っているのはSDMかLFMの学生がほとんどなので仕事をしたことのない人はいないし、5~6割は仕事をしながらだったり企業派遣なので何かしら使えるデータはあるはずだということなんだろう。それでも授業の課題に実際のプロジェクトデータを企業から持ってきて使うことが前提となっているのは、日本でずっと過ごしてきた身としては少し驚いてしまう。

日本の企業だと、プロジェクトの成果物やマイルストーン毎の情報は残っていても、欧米企業のように誰がどのタスクに何時間費やしたとか、何月何日にどんな設計変更が行われたとか、経過を示すようなデータはあまり残っていないのではないだろうか。もちろん当事者にとってはオーバーヘッドが大きくなって面倒くさいだけなのだが、第三者が企業のプロジェクトを分析するには非常に都合が良い。人の入れ替わりが激しいアメリカならではかも知れない。

そして、秘密保持契約を結んだり、名前を伏せた上で公開するような工夫はあるとしても、大学の授業での一課題に企業がデータをすっと出してくれる事に驚いた。大学のネームバリューは非常に大きな要素だと思うけれど、企業にも宣伝効果以外に現実的な成果が少しは期待できると思われているのには大学が常に企業に有用な研究や教育を行っているということの証ではないかと思う。学術的な研究は絶対必要だけれど、その成果を企業の活動に適用してフィードバックを受ける仕組みが上手く出来ていることに感心してしまった。

そしてもう少し広く目を向けると、工学部の授業でマネージメント関係の授業がすごく充実している事に気づかされる。MITにはEngineering System Divisionという学科横断的にシステムの観点から研究を行う学科がある。建築、土木、航空宇宙、機械、その他何でも工学システムに関係する学科の教授が併任もしくは専任されていてシステム開発やマネージメントに関する授業がすごく幅広く提供されているのだ。

僕は日本の大学で機械工学を学んだけれど、システム設計の授業はいくつかあっても、マネージメントに関する授業と言えば生産工学でPARTやCPMを学んだ程度だった。今でもCANSATやソーラーカーなど「学生プロジェクト」を授業でやっていても、企業で実際にシステム開発をする際のマネージメントに役立つような事を何故教えないのか、ミーティングが終わってからふと考え込んでしまった。

写真はパリのモーターショーで展示されたFORDのコンセプトカーIosis X。

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