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2007年10月24日 (水)

プロジェクトは何故計画通りに終わらないのか(その2)

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前回書いたようにプロジェクト計画には不確定要素が必ず含まれている。将来はいつも曖昧で、かくして世の中はサプライズに満ちているのだ。それではプロジェクトでサプライズが起こらないようにするにはどうするか。
根本的な解決方法はもちろん不確定要素をなるべく減らしておくことにある。部品の不良品率を下げていけばシステムの信頼度が上がるように、予測と見積もりの精度を上げていけばいくほどプロジェクトは計画通りに進むことになる。当たり前のことだ。
しかし、プロジェクト内部で頑張ればコントロールできることもあれば、ガソリンの取引相場や為替相場のように自分たちでコントロール出来ないこともある。自分たちでコントロールできなくてもコスト見積もりをするためには予想しなくてはならないし、その予想がプロジェクトの成否を分けることだって往々にしてある。

しかしいくら過去の傾向を見てもそれだけでは良い見積もりはできない。エンジニアや研究者なら誰でも知っていること「内挿はともかく外挿は危険」だからだ。つまり、過去と現在のガソリン価格の変動をある程度知った上であれば、その期間内のとある時点でのガソリン価格を予想する事は比較的優しい。9/11のような全く予測不可能な事件が起こらない限り、往々にして前後の傾向に沿っているからだ。一方で過去と現在のデータから将来のガソリン価格を予測するのは非常に難しい。

例えば地球の人口統計を表した2つのグラフを見て欲しい。左のグラフでは指数関数的に増えていると感じる人が多いと思うし、右のグラフではほぼ直線的に増えていると感じる人が多いのではないだろうか。同じグラフでもどの期間を取り出すかだけで印象は異なるし、判断を変えてしまうことになる。

もう一つは同じ傾向がずっと続くことは無いと言うこと。10年毎に8億人増えているからといって、100年後に地球の人口が140億人になっているとは思えない。ここ数ヶ月でガソリンの価格が毎月10%ずつ上がっているからといって、1年後に3倍になって10年後には今の9万倍の値段になっているなんて予想しても誰も信じないのと実は同じ事なのだ。

結果のデータだけを使っていては、どれだけ上手く期間を設定しても、どれだけ加重平均などの数学テクニックを使っても精度の良い見積もりは絶対に出来ない。世の中に変化がないようただ祈るのみだ。短期的にはともかく、長期的にはまずはずれる。

大事なのは変化に影響を与える要因を把握することだ。
物事には必ずそれを促進する要因と減退させる要因がある。それらを過去のデータを分析することで因果関係や影響度をつかんだ上で、今後の傾向を予測するとその確度は上がるし、変化に応じて後々の修正もしやすくなる。

もう気づいた人もいるかも知れないけれど、これはまさしくシステムダイナミクスの考え方そのものなのだ。
100%正しい予測なんてあり得ないし、世の中予想外の事が必ず起きる、それでも自分たちがどういう考え方に則って行動しているかを説明できれば、それを改善していく余地が生まれるし、データが増えるにつれてその精度が上がっていくことになる。

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