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2007年12月21日 (金)

IridiumとGlobalStar(その1)

20071219_1 もう1ヶ月以上も前になるけれど、プロジェクトマネジメントの授業で1人の教授が話をしに来てくれた。彼は衛星通信ビジネス会社GlobalStarの上級副社長とチーフシステムエンジニアを長年務めた経歴の持ち主で、GlobalStarとIridium、2つの衛星通信ビジネスについて、これまで知らなかった事を考えもしなかった観点から話してくれたので少し紹介したい。

IridiumとGlobalStar、宇宙業界では知らない人はいないくらい有名なプロジェクトだけれど、少しおさらいしておこう。

Iridiumは世界で初めて地球上どこでも電話がかけられる画期的なサービスとしてアメリカの通信機器会社モトローラ社が子会社を立ち上げて始めた事業だ。事の発端は、重役の1人が家族で電話もないリゾートアイランドに休暇で出かけるに際して奥さんから「世界一の電話会社なんだから地球上のどこでも電話がかけられるようにできないの?」と言われたことだと言われている。高度780kmの軌道上に66個の通信衛星を打ち上げて1998年にサービスを開始したが、成功確実とアナリストからももてはやされた事業は2年ももたずに40億ドルもの損失を計上して破産した。

GlobalStarはそれよりも少し後から始まった似たような計画で、1400kmの高度に48個の衛星を打ち上げて1999年の終わりにサービスを開始した。この頃はIT革命で無線技術が格段に進歩した頃でGlobalStarはその恩恵を受けたこともあって少ない衛星数&低コストで始まったにもかかわらずやはり1年後に破産した。

今はどちらも事業を再開し、DoD(アメリカ国防総省)と莫大な定額契約を結んでいるおかげで何とかサービスを継続している。

さて、彼のプレゼンテーションの始まりはこんな言葉で始まった。

「GlobalStarプロジェクトを振り返ると、技術的なチャレンジが20%、政治、規制、ビジネス提携、金融、文化などの非技術的なチャレンジが80%を占めていた。」

「衛星モバイル通信が破綻した理由、それは地上の携帯電話網とインターネットの発達だと言われているが私はそうは思わない。」

この発言には少なからず驚いてしまった。いくらIridiumが先行していたとはいえ誰もやったことがない巨大なシステムの開発に技術的な要素が非常には大きいと思っていたし、破綻の理由もそれが一番大きいと思っていたからだ。

次回はその詳細に迫ってみたい。

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コメント

>ク○スさん
コメント&ねぎらいの言葉をありがとう。
deWeck教授が教えるこのクラスも大変でしたがなかなか面白かったよ。
帰国したら是非とも話しましょう。
彼が慶應で何を教えたかも気になるし。
そちらも年末の一踏ん張り頑張って良い年を迎えてください。

久しぶり&山場越えお疲れさま。
ところで、この前慶應大学でdeWeck教授の講義を受けてきました。SDMのコース、大変だけど面白そうですね。帰国したらまた詳しく聞かせてください。。

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