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2008年1月 9日 (水)

CAIB

20080108_1 もう授業は一つも取らなくても良いけれど、1月はIAP(Indipendent Accademic  Program)期間なので単発で様々なセミナーが組まれている。Engineering System Divisionでも連日のように面白そうな講座やセミナーが提供されているので帰国まで時間が許限り出てみたいと思っている。

今日のセミナーは2003年2月1日に空中分解を起こして7人の宇宙飛行士が犠牲になったスペースシャトル、コロンビア号の事故についての調査結果とその後シャトルプログラムに与えたインパクトを語ってくれるものだった。今更感もあったけれど、実際に事故調査委員会(Colombia Accident Investigation Board、通称CAIB)のメンバーだった教授と現役の宇宙飛行士が語ってくれるということなので面白い話が聞けるかもしれないと期待してみたのだ。

あの事故の根底には安全に対するNASAの文化と組織構造が問題だと報告書でも指摘されているけれど、今回もそこはかなり強調されていた。

事故に至っていないからといって想定外の事が何故起こっているかを調べずに許容してしまっている文化、更には「今回タイルが破損していたけど、次回もどうなるか注目しよう」などとシャトルのフライトが実験であるかのように毎回起こる異常事象に対処していることが問題の根源にあるとされているわけだ。

シャトルは手厚い検査や試験が追加された状況で遅れながらも飛んでいる。でも、重大な事件が起これば徹底的な対策を取るけれど、そうでなければ結果オーライで試験や手間をどんどん省いていく姿勢は20年前と同じなんじゃないだろうか。

今回得た新しい驚いきは、宇宙飛行士が語ってくれた、1996年の時点でシャトルのシステムとしてのどうしようもない脆弱性が指摘されていた事をNASAの一部で認識されていたということだった。
翼のある構造なので480平方メートルもの耐熱タイルが必要なこと。乗組員が脱出できない時間が長いこと。居住・貨物・推進モジュールが分離できないこと。なによりそれらのリスクを冒してでも、シャトルの最大のメリットである大きくて重い物を地上に持って帰れる性能が本当に必要な状況が非常に少なくなっていること。

それらに気づいていながら最近まで次世代機の開発に乗り出さなかったのは、いくつか理由が有るんだろうけれど根は相当深そうだ。

それでも一つの失敗が技術的な問題点だけじゃなくて組織の文化にまで光が当たって広く議論される点は見習わなければならないと思う。

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