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2008年1月 7日 (月)

プロジェクトの価値(マネージメントと経済観念)

正月もすっかり開けたのでまたエンジニアリングの話を続けたいと思う。もうすぐ卒業してしまうけれど、まだまだ学んだことの一割も書けていないと思うし、これからもできる限り学んだことを書いていきたいと思う。

20080106_1 さて、アメリカでシステム設計やプロジェクトマネジメントを学ぶときに徹底して言及されるのがプロジェクトの価値だ。技術的にどれだけ優れているとか性能がどれだけ高いかではない。ニーズ、コスト、売り上げのモデルを用いたときに、プロジェクトが本当に投資するだけの価値があるのか、選んだシステム構成が他の候補と比べて一番高いリターンを返してくれるのか。

どの授業でも必ずと言っていいほどプロジェクトの話をするときには技術的な最適化だけではなくて、プロジェクトの価値を高める事の大切が強調されていることに最初は多少とまどいさえ覚えたものだった。今考えてみると当たり前の事にも思えるけれど、工学部の授業に経済や会計の要素がふんだんに取り込まれているのはとても新鮮だった。

個人的には会計学や金融工学が苦手だし、はっきり言って嫌いだといってもいいと思う。それでもプロジェクトのマネージメントを仕事にしたいと思う限りはその考え方の基礎やエッセンスを知っておくべきだと思うようになった。プロジェクト全体の現在価値(Net Present Value)はいくらか、投資が回収できるまでの期間(Pay Back Period)はどれくらいか、投資に対する利益率(Return on Investment)はどれくらいか、1円儲けるために必要な投資額はいくらか(Cost Effectiveness)、割引率(Discount Rate)は何パーセントで設定するべきか、実際の投資と収入はどうなるか(Cash Flow)数え上げ挙げればきりがないけれどプロジェクトをマネージメントしていく上ではどれも必要な情報だし、マネージャーとしては知っておくべき事ばかりだと思う。

アカウンティングの記事にも書いたけれど、これらの詳細は経済や会計の専門家の出番でエンジニアやマネージャー自身がこれらの知識をフル活用して数字を出す必要はないし、彼らにはもっと他にやるべき事がある。それでもどういうシステム構成を選んで、プロジェクトをどうハンドリングして行くのかを考えるときにこれらの観点を忘れてはならないということを学ぶことができたのは大きな収穫だったと思う。

これはいかに利益を生み出すかに腐心するビジネスだけではなく、非営利の事業や公共事業にも全く同じ事が言える。もちろん投資に対するリターンが単純に金銭で計れない場合には話が多少ややこしくなる。プロジェクトの価値は何かしらの指標を持って計れなければならないけれど、誰にとっての何を最大化するべきなのかを見いだすのに苦労することも有るだろうし、それが複数有って優先順位を付けるのにさらに苦労する事も頻繁に有るはずだ。だからといってそこから逃げていては何も良くならないし無駄にお金を使うことになりかねない。

趣味でXプライズに投資しているIT長者たちだってどうすれば自分の資金を使って最大の効果が得られるかを考えているはずだし、税金を使う場合であれば言うまでもない。

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