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2008年8月20日 (水)

「熊とワルツを」"Waltzing with Bears"

20080820 今日も、一冊の本を紹介しよう。名前は似ているが、一昔に流行った「白い犬とワルツを」とは全く関係ない。あれはあれで優れた小説なので、アメリカ文学好きにはお薦めなのだが、こちらはプロジェクトリスク管理の優れた教科書だ。

何が優れているかというと、SDMで学んだリスク管理の内容とかなり重複するところがあるせいか、しっくりとくる事が多かったせいもあるし、仕事上「あるある!」と思わせられる事例も多く示されているからだ。

  • プロジェクトのスケジュールは何も問題が起こらなかった場合にのみ成立する最短日程に設定される
  • プロジェクトが内部に抱える本当に重要なリスクはリスクとして明示されない。
  • リスクを認識をやっている組織は多くともそれを本当に活用している組織は非常に少ない

リスク管理とは何かを簡潔に分からせてくれる良著だ。

この本の内容が理解できればリスク認識まではできるようになるんじゃないかと思うけれど、プロジェクトを実際に運営しながらリスク管理ができるようになるまでには大きなギャップがあることも事実だ。

どれだけ素晴らしい教科書があったとしても、それを読んだだけでいきなり熊とワルツを踊るなんて気に、僕は全くなれないのだ。

2008年8月18日 (月)

「その数学が戦略を決める」"Super Cruncher"

20080818 夏が始まる前に読んだ本なのだが、いまでも強く印象に残っているので新刊ではないけれど、今日はこの本を紹介したい。
情報のデジタル化とネットワーク社会がもたらした変化を痛感させてくれる良著だった。その変化は既に10年前からあった物だし当たり前の事を言っているように見えるのだが、実は多くの人々がその変化に抗っている事に気づかせてくれる本だ。

十分な数の事例が集まれば、-件一件を専門家が経験をたよりに判断する以上の精度で答えを出してくれる可能性はマクロに見ると十分に高いのだ。特異な事例でも過去の似た事例や対応策をインターネットやデータベースから瞬時に見つけられる。
つまり、人が手を動かして物を作る仕事が機械化によって単純作業から順に減っていったように、人が判断する仕事も情報処理技術の発展と社会への浸透によって減っている事をこの本は具体的に見せてくれる。

だからこそSDMでは確率・統計をあんなにしっかり教えていたのかと納得。もちろん統計や確率で決まらない事も多々あるけれど、使いこなせるかそうでないかで色々なところに大きな差が出てくるのではないだろうか。

エンジニアはもちろんビジネスマンも確率・統計を勉強したくなる?だろう一冊でした。

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