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2008年12月21日 (日)

Toastmaster

20081221_toastmaster 「情報の報告としては良かった。でも結局何が言いたいのかメッセージが無いんだよ。」

自分では一生懸命準備して望んだプレゼンテーションの反応がいまいちだったとき、聴衆の1人だった偉いさんに後からそう言われてしまった。

一方で以前とある学会のプレゼンで同じような経験をしたときに、後で聴衆の一人からはこう言われたことがある。
「言いたいことはよくわかったんだけど、具体的な情報が少なかったから当たり前の一般論を言っているようにしか聞こえなかったんだよ」

どちらかが間違っているとかではなくて、どうやら自分が相手が求めている事とは違った、バランスの悪いプレゼンテーションをしてしまったせいだろうと思う。
伝えるべきメッセージとその裏付けとなるデータのバランスは、誰に何をどれだけの時間を使って伝えるかによって変わるからだ。

たいていは中身に問題があるのだけれど、いくら素晴らしいものを持っていても纏め方、見せ方を失敗してしまっては元も子もない。
アメリカ人のプレゼンが上手いのは教育課程でこの重要さを教えてトレーニングを積ませているからだ。
ちなみに学校だけではなくてToastmastersという団体があって会員になると教材をもらえる。なぜToastmaster(パーティの司会者)なのかは全く持って不明だが、このToastmastersは自主的な活動ができるように考えられているらしく僕もMITにいたときにはクラスメートの誘いに乗ってみんなでプレゼンテーションの練習をしたものだった。それでも残念ながらまだまだ改善しなければならないことは山ほどあるようだ。

さて、そんなことを考えていたら偶然、経験豊富な上司からこんな助言を受けた。
「まずはプレゼンの目的と相手を理解したら、キーパーソンを一人見つけるんだよ。プレゼンがうまくいっているかどうかはその人の反応を見ればわかるし、それによってスピードや説明内容の濃淡を修正すればいいんだよ。」

Toastmasterへの道のりは長そうだ。

2008年12月18日 (木)

戦略

20081218_ 自分の職場や会社について職場で議論するとき、飲み会で語らうとき、愚痴を言うときのことを思い返してみると、「戦略」という言葉はちょくちょく出てくるのではないかと思う。
しかし「戦略」という言葉の本質は突き詰めると何なのだろうか。
どういうものの考え方や行動策を戦略と呼ぶのだろうか。方針と戦術の合間にあるこの言葉、自分で具体的に「戦略」を立ててみようとすると非常に難しいが会社のとある偉いさんがハッとさせられるような定義を聞かせてくれた。

「戦略ってのは、どうやって自分を他人と比べて優位なポジションに持って行くか、いかにしてそれを保つかなんだよ」

うーん、確かにその通りかもしれない。でもやっぱり具体的に練るのは難しい。

「だから、究極は『戦わずして勝つ!』孫子の兵法だ。基本は大昔から変わっていない。歴史を勉強しろ歴史を!」

ということで、まずは坂の上の雲を読むように進められた。年末にでも読んでみるかな。

2008年12月15日 (月)

A Small Big Thing

20081215_small_big_thing 毎日娘を保育所に送っていくのは基本的に僕の役割だ。今朝はいつもより遅れて家を出たので急いで送り届けて保育所を出ようとしたら「お父さん、英語できます?」と先生に呼び止められた。

急いでいたのと突拍子のない質問にわけがわからず「ん?んん??」となりながらも事情を聞いてみると、子供さんを休ませる連絡電話をかけてきた親御さんに、「保育所でインフルエンザが流行っているから病院に行ったら念のためそのチェックをしてもらって」と英語で伝えて欲しいとのこと。

この保育所にも外国人の子供達(と思われる)がいて、特に小さい子のクラスでは1~2割に及ぶ気がする。流ちょうな日本語を話す親もいる反面、苦手な親も多いようで片言の日本語と英語で先生も親も一生懸命にコミュニケーションしている姿をよく見かける。

そういう事情を知っているのと、自分のアメリカ生活を思い出すと人ごととは思えず、いつもより一本遅い電車に乗ることを覚悟して電話に出た。仕事や日常生活では使わない保育所用語を似て非なる言葉に言い換えながら何とか理解してもらって先生に電話を返した。

自分もアメリカで子育てをしたからよく分かる。子供が病気な上に慣れない言語で、特に病気の症状を伝えるのは非常に大きなストレスだ。さらには相手になかなか英語が伝わらないとなるとなおさらである。例えば「熱があって、ウンチが柔らかいので下痢もしているようで、鼻水と咳まで出ている」とか「大豆アレルギーでじんましんが出てしまった」なんて学校の英語教育では言えるようにならない。
電話が終わった後は、先生方は数人で「良かった良かった、通じた通じた」と喜び合っていたので普段からよほど苦労されているのだろう。

先生が英語を話せれば簡単に解決するのだが、それも日本人の英会話レベルを考えると酷だし、なによりそれだけの人材を集めてくるとなれば保育費にもはね返ってくる。
ならば、例えばせっかく市役所に外国語の相談窓口があるのだから、親と保育所の間に通訳が入るような三者電話のシステムが有償でもいいから有れば重宝するのではないかと思う。僕はアメリカで病院や保険会社とのやりとりに似たようなシステムを何度か使わせてもらって非常に助かった。人員のやりくりは大変かも知れないが、電話の特性を生かしてニーズと供給がバランスするように地域エリアや時間帯を設定すればサービスに見合った効果は得られるだろう。なにより設備投資としては最低限、何十万円かでテレコン装置を組めば解決するのだから安いものだ。

多様性がある環境を「特殊な状況」、「つきあいが大変」と意識させられるストレスが薄れてみんなが快適に暮らせることは、小さくてもとても大事な事だ。

2008年12月 9日 (火)

Lead Users in the shipyard

20081209_leadusers 「だいたい2トンくらいです。あのブロックをどんどんつなげていくわけです。」
巨大な台車に積まれて運ばれていく巨大な鉄の塊を、ぽかんと見つめる僕らの横で説明が続く。
「あのクレーンはこの工場最大で700トンまで釣れます。海外ではもっと大きいのが有りますけどね。」

先週、とある造船所の研究所を訪問したついでにタンカーの工場を案内してもらっていたときの一幕である。日本の造船業は90年代に斜陽産業と呼ばれていた記憶があるが、いまではかなり持ち直して世界第二位の生産量を誇っているそうだ。世界トップは意外にも韓国であり現代、大宇、三星などがそれぞれ一社で日本の大手全部を併せたほどの圧倒的な生産量を誇っているらしい。

普段宇宙を相手に仕事をしていると人工衛星まるまる一つが船の部品と同じ重さであり、日本最大のロケットでさえ燃料満載でも2機纏めて釣り上げられるクレーンがあるというのはクレイジーと言いたくなるほどのスケールだ。それほどに実際に目の前にあるタンカーという機械は圧倒的に巨大だった。

船は人工衛星やロケットと技術的にも経営的にも全く違う状況にあって、研究課題や開発の仕方も全く違う。それでも異業種だからこそ自分の悩みに対して、先進的なアイデアや解決策に結びつくヒントが得られるかもしれない。(マーケティング用語でいうLead Usersみたいなものだ)
本当に革新的なアイデアというものは、自分のフィールドで考えに考え抜いた異業種の2人が出会ったときに生まれてくる。学校で教わったわけではないが僕はそう思って「普段関わりがない人」との交流には積極的に参加するようにしている。(やり残している仕事はたくさんあるが・・・)

今回は造船所の特性もあってかシステム開発の方法論に加えてマーケティングとそれに基づいたシステム提案のやり方について学ぶことができたのは収穫だった。彼らは長年船を造ってきただけ有って、セミオーダーメイドとでも言うべきカスタム量産品を作る能力は本当に素晴らしい。
あまり詳しく書けないのが残念だけど、簡単に言うならばターゲットユーザが決まったらそのユーザの仕事をとことん分析して、そのユーザに合ったカスタム船を提案して、具体的に提供できる付加価値を見せてあげることという当たり前かつ難しいことなのだが。

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