« 2009年4月 | トップページ | 2009年6月 »

2009年5月20日 (水)

Serenity Prayer ニーバーの祈り

20090518_serenity_prayer 昨年お世話になった、とある大学の先生を偲ぶ会に参列してきた。
2月にお会いしてから2週間後、お住まいのあるカリフォルニアで急逝されたとの連絡を受けて愕然としたのだが、さすがに葬儀のために渡米する勇気はなく静かに冥福を祈るだけだった。

そんな思いを持った人たちが250人も集まって、やっと自分たちの中で先生にお礼を言って別れを告げられる会が日本で開かれた。

実はその先生と僕が初めて出会ってからまだちょうど1年ほど、実際に会った日数を数えると6日ほどにしかならない。それでもまるで恩師ように思えるのはエンジニアとして教わったことの重さだけではなく、人として何かを学んだことも大きいだろうし、明るくて魅力的な人格のせいもあるのだろう。何気ない会話なのに今でも覚えている言葉は沢山ある。

僕が1時間だけ他の先生の授業を代行したときには、本当に親身になって補足のコメントを入れてくれたり、適切な質問をして授業の価値を高めてくれた。

こんなにも短い時間しか接しなかったのにもかかわらず、訃報に接して受けたショックはあまりにも大きかったし、2年目の今年こそはもっと一緒にいろんなことが出来ると楽しみにしていただけに残念でならない。

それでも残されたものとしては、受け継いだものを大事にして自分の世界を広げ、受け継いだものの先にある新しい世界を見られるよう前進するしかない。

偲ぶ会でもらった冊子の最後には、クリスチャンであった先生愛唱していたという祈りの言葉が書かれてあった。

Serenity Prayer

God grant me the serenity to accept the things I cannot change;
courage to change the things I can;
and the wisdom to know the difference.
             Reinhold Niebuhr

ニーバーの祈り

神よ、
変えられないものを受け入れる心の平穏を与えたまえ。
変えることの出来るものを変えていく勇気を与えたまえ。
そして変えることの出来ないものと変えることの出来るものを、
識別する知恵を与えたまえ。
             ラインホールド・ニーバー

先生、短い間でしたが本当にありがとうございました。安らかにお休みください。

2009年5月16日 (土)

いっちょまえに

20090516_2歳頃から、娘はすこしずつ赤ちゃん卒業の自覚が芽生えてきたようだ。

何でも自分でやりたがるようになってきて、口癖は「じぶんで!」。
親がやってしまうと泣きながら元の状態に戻して自分でやる。
シャツのボタンは、はめたり外したり出来るのが嬉しいようで延々5分くらい繰り返しているときもあるくらい。

親が何かやっていると手伝いたがるようになってきて、ことある毎に「お手伝いしたい!」を連呼。いっちょまえに、ゆで卵の殻をむいたりピーラーで野菜の皮をむいてくれる。布団の上げ下ろしも果敢に挑戦。

色々出来ることがとにかく楽しくてたまらないようなので、急いでいるときも、深呼吸一つ入れてなるべくさせてあげるようにしている。

口もずいぶん達者になってきて、親のやっていることを手伝ったり自分が代わりにやりたいときは「おねぇちゃんになったから、できるのぉ!」「じぶんでやるからねっ!」といっちょまえに言ってくれる。

その一方で出来なかったりやりたくなかったりで親にやって欲しいときには「あかちゃんだからできない・・・。ぱぱ(まま)がやって。」と急に赤ちゃんに戻ってしまう。

そんなときにあきれながら意地悪して「さっきおねえちゃんって言ってたでしょ。出来るでしょ。」と言い聞かせるとキョトンとしてこんな一言が返ってくる。

「なぁにぃ?」

既に、立場の使い分けだけじゃなくて、すっとぼける技も身につけたか。

先日は風呂上がりに「待ってて!」と言うのを無視してドライヤーで髪の毛を乾かしにかかったら、おもちゃを持ちながら・・・
「もー、だからちょっと待っててって言ったでしょうよー。」と過去最高級にいっちょまえな文句を言われてしまった。

言い負けないように頑張ろうと既に気を引き締めているけど、それは準備が早すぎるか。

2009年5月13日 (水)

2008 Best Theses in Tech TV

20090512_2008_best_thesis_in_tech_2

You Tubeのようなサービスは沢山あるけれど、MITではTech TVと称して学生が作ったものからMITオフィシャルなものまでたくさんのビデオを公開している。そこで自分のクラスメイトが取ったSDM Best Thesis Award 2008の紹介(?)ビデオがアップロードされていたので皆さんにも紹介しよう。

SDM Best Thesis AwardとはSDM/MITでは毎年教授陣が最も優れた修士論文に与える賞で、何人かのSDMのプログラムディレクターを含めた何人かの教授陣が60本の論文を「精査して」選出されることになっている。
実は2008年の受賞者は去年の夏には決まっていて、受賞したDavidは大の友人と言うこともあって、彼がタイミング良く10月に日本にやってきたときには2人でささやかなお祝いをしたし、年明けの2月にはWEBでの受賞講演が有った(本人もWEB参加)ので今更ではあるけれど何度祝ってもめでたいものはめでたい。

彼の論文の内容を簡単に言うと、いわゆるジェネレーション・ギャップとして語られるエンジニアの典型的な性質、例えば「年配のエンジニアは保守的」だとか「X世代はわがまま」なんていう性質は意外と当てはまらないんじゃないの?ということをアンケートを元に分析したものだ。

人によっては、「こんなのがベストなの?」と疑問を持つかもしれないが、これまで当たり前と思われてあまり脚光を浴びてこなかったことを分析して、新しい考え方を提供したことに大きな意義が有るのだろうと思う。

本人は、「自分の論文は全然いいと思ってなかったから何で受賞したのか全くわからん。ディレクターから連絡を受けたときには『冗談はやめてくださいよ』と笑い飛ばしてしまって、本当にそうだと受け入れるのにしばらく時間がかかったよ。」と頭を掻いていたけれどやはり嬉しそうだった。

そんな彼の論文はもちろんMITの図書館WEBサイトに登録されていて、世界中誰でも全文を読むことが出来る。
Kim, J. David, "Generation gaps in engineering?"

ちなみに、SDMプログラムの学生がどんな論文を書いているか、興味がある人は過去の論文を調べてみるのも面白いと思う。SDMの修士論文は授業などで学んだことを使って論文を書かなければならないので、どういう人がSDMでどういうことを学んでいるかが論文に良く現れるからだ。

非常に数学的な理論を提唱をした論文、企業の開発プロセスを分析した論文、マーケティング理論を検証したMBA張りの論文など、しかもかなりが実際の仕事に関係しそうな題材。改めて見てみると本当に自分でも驚くほどSDMは多様性に富んだプログラムだと思う。

« 2009年4月 | トップページ | 2009年6月 »